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没ちゃんの受難


いつも通りあてもなく校内を歩いていた時のこと。

「ぉ……?なんだこれ?」

使われていない教室の黒板にでかでかと書かれているのは、ほぼ確実に私へ宛てたと思われる書き置き。

『やすなとソーニャが雪合戦
だるま作ってこたつでアイス』

そういえば今日は朝から雪が降っている。しかしこの文、とてつもなく怪しい。しかし出番はどうにかしてでも欲しい。

「えぇい!どうにでもなれぇ!待ってろ、折部やすなぁ!」

いつも通り、なんとかなるだろうという根拠の無い自信が湧いたので校舎裏へ飛び出してみた。勿論窓から。

「私も雪合戦に混ぜろ!折部やすな!……あれ?」

居ない。折部やすなはおろか、ソーニャでさえも雪合戦をしたらしい痕跡を残してどこかへ行ってしまったようだ。悔しさに声が漏れるが落ち込んでいる暇はない。次は『だるま作って』、雪だるま作りで当たりだろう。校舎裏では狭いだろうから、次に目指すのは……。

「私にも雪を転がさせろ!折部やすな!……ありゃ?」

校庭に散在しているのは、雪だるまの残骸と思しき雪の盛り上がり。またもや逃げられた。

「こたつなんて家庭科室にしかないだろ!」

なんだか残念な予感を振り払いつつ家庭科室へ滑り込むと、そこに居たのは呉織あぎり。

「お疲れ様でしたぁ〜♪楽しめましたか?」

「くそぅ!くそぅ!!!」

全てを察した私は叫ぶしかなかった。

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