ジャンル:千銃士 お題:俺と同性愛 制限時間:2時間 読者:90 人 文字数:1954字 お気に入り:0人

衛生室カウンセリング

創作マスターいます。
マルガリータ→レオポルト。
親愛エピソードネタバレあり。






「マスター、ちょっといい?」

衛生室で脱脂綿を作っていると、ひょこりと金髪の青年がが顔を出した。

「どうしたの、マルガリータ。珍しいね」
「うん、あのね…」

いつもは明るくて元気一杯の彼が、どことなく暗い顔をしている。
作業の手を止めて、メディックは向かいに椅子を引っ張った。

「僕になにか相談?」
「う、ん…相談っていうか…オレ、マスターに謝らないといけないんだよね」
「何かした?」

心当たりがなくてきょとんと首をかしげると、マルガリータは困ったように眉を寄せた。

「あのね、この間、マスターとおじさんが二人だけで出掛けたでしょ? オレ、そのことずっと面白くなくて。おじさんはオレのおじさんなのに、マスターとばっかり仲良くしてるみたいで…」
「ああ、その話か。僕にレオポルトを取られたような気がしたんだね?」

うん、と俯いたままマルガリータが頷いた。

「おじさんの腰のことも、マスターが治療してくれたことも知らないで、オレ、勝手に一人で怒ってた。ごめんなさい」
「謝ることなんかないよ」

メディックは慌てて手を振った。

「身内を取られるのって、なんだか面白くないよね。わかるよ、その気持ち」
「うん、ありがと、マスター。それでね、ちょっと訊きたいんだけど…」

まだ何かあるのだろうか。

「ブラウン・ベスとシャルルヴィルが付き合ってるって、ほんと?」
「へ?」

思いがけない問いに、おかしな声をあげてしまった。
ブラウン・ベスとシャルルヴィルは、このレジスタンス基地に最初に現れた貴銃士だが、マルガリータたちと特に親しい様子を見た覚えはない。

「えーっと…僕、それに関してはよく知らないけど、」
「そういうのって、変じゃない?」
「変じゃ、ないと思うけど?」
「そうなの!?」

急に顔をあげて目を見開くマルガリータに、どうしたのだろうとまた首をかしげる。

「うん。男同士っていうのを気にしてるんなら、昔はダメっていってたみたいだけど、お互いが好きならいいんじゃないかな。少なくとも僕は気にしない」
「…そっか…そうなんだ…」

しばし呆然としたように呟いたあと、彼はキッと眉をあげた。

「あのね、マスター。オレたぶん、好きな人、できたかなぁって…」
「わ、コイバナ?」

照れた様子のマルガリータが可愛くて、つい声が弾む。

「うん、あのね…さっきの、マスターとおじさんのデートのことで、気づいたんだけど」

デートじゃない、とここで否定して流れを切るのも憚られて、そのまま黙って続きを待った。
あれはデートではなくてお礼だし、そんな簡単にデートと呼べるのは恋愛感情がないからだ。

「オレ、…おじさんが好きなの、かも…」
「…そう?」
「うん。おじさんを、マスターに取られると思ったら、すごく嫌だなって思ったの。ねぇ
マスターはこういうの、気持ち悪い?」
「そんなことないよ」

不安そうな色を浮かべるマルガリータに、安心できるよう微笑みを向ける。

「レオポルトは頼りがいがあってかっこいいものね。僕だってもしかしたら惚れちゃいそうだもん」
「マスターは惚れちゃダメ」
「はいはい、わかってるよ」
「っていうか、マスターわかってないよ。おじさんってあれで結構可愛いんだからね?」
「そうなの?」

今度は頬を膨らませて、レオポルトのよさを熱弁する。

「そうだよ、おじさんはちょーっと過保護でうざいけど、オレのやることにいちいちビックリしたり笑ったり困ったりするの、すっごく可愛いんだ!」

それはそれは、レオポルトが苦労しそうだなぁ、と言葉にはせず苦笑するに留めた。

「それ、レオポルトに言うの?」
「…どうしよ。おじさんは、気持ち悪いっていわないかな」
「どうだろうね。僕にもはっきりとはわからないけど、…君を傷つけるようなことは、したくないんじゃないかな、レオポルトは」
「…そう思う?」
「もちろん。彼は君とカールのことを心底大事に思ってるよ。だからもし、どうしても我慢できなくて伝えても、きっとひどいことにはならないよ」
「…そう、かな」

マルガリータが弱く微笑んだ。

「そう、だよね。うん、きっとそうだ」

うんうん、と何度か頷く。
それからぴょん、と椅子から立ち上がった。

「ありがと、マスター。なんかちょっと楽になったかも!」
「どういたしまして。困ったことあったらまたおいでよ」
「うん、そうする!」

じゃーねー、といつもの明るさを取り戻した笑顔を振りまいて、神聖ローマ皇后の愛銃は衛生室を出ていった。

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