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ほんとのきもちは



あ、ソーニャちゃんだ。前を歩く背中は少し寂しそうに見えて。

「ソーニャちゃ、あふん……」

「うぉあ!?なんだ、やすなか」

いつもの様に私を〆る表情は、少し嬉しそうに見えた。

「も〜!ソーニャちゃんてばほんとに手が早いよね!」

「お前もいい加減学習しろよ、このやり取り何回目だ?」

「数にすると3桁は超えていますねぇ」

「「うわぁ!!??」」

突然現れたあぎりさんが、ソーニャちゃんになにか耳打ちした。ソーニャちゃんがなにやら狼狽している。そして私にも手招きするあぎりさん。

「ソーニャは好意に鈍いですからぁ、もっと攻めても気が付きませんよぉ、きっと」

全部お見通しだった。ほんとのきもちも、悪戯の動機も全部分かっているような口振りで耳打ちするあぎりさん。

「応援してますよぉ、頑張って下さいねぇ」

にっこり笑ったあぎりさんは、ではぁと普段の調子でドロンしてしまった。

「お、おい……やすな」

ソーニャちゃんと目が合った。耳まで赤いように見えるのは夕日のせい、多分。

「私は……」

「えいっ」

つん、っとソーニャちゃんのほっぺをつついてみた。

「おい!なにすんだ真剣に話そうとしたのに!」

「へっへ〜ん!悔しかったら追いついてみなさい!」

走り出した私は、少し幸せだった。

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