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反射光 ※未完

いつの日か、ひどく疲れた顔をした宮永照を見たことがあった。
校舎の裏、太陽から逃げているような場所で口元を強く押さえていて。しかし吐き気を飲み込んでいるようにも見えず、ただただどこか虚ろを見詰めていた。

「おい、照」

その顔があまりにも鬱屈としていたので、思わず声をかけてしまった。
これが正解かどうかだったか、私は今でもわからない。

「…………っ」

その声に気付いた照は、見たこともないほど目を開いていた。そういえば、照はあまり驚くことのない人間だなと今更ながら思った。

「具合でも悪いのか?」

これは建前だった。
いや、心配しているのは事実だ。しかし、体調などではなくもっと奥底の面に対して私は問いかけていた。

「菫……どうしてここに?」
「もうすぐ練習始まるからな。呼びに来た」
「ああ……もうそんな時間」

照は、先のことを置いていこうとしているかのように早足で私の横を通り過ぎた。やはり、何かあるのか。
私は、見過ごすことができなかった。

「人に、会いたくなかったのか?」

強い口調で、照を呼び止めた。
照はぴたりと足を止めたが、こちらを向きはしなかった。ただ、その背中からは拒絶の色を感じた。

「それを知って、どうするの?」
「照……私のことを『親切』と言っただろ?」
「……? 確かにそうだけど」
「だから、それだけだよ。ただの親切だ」

照がこちらを振り向いた。
涙でも流しそうな、でも無機質にも見える顔だった。
「そこまでいくと、もう老婆心だよ」と言いながら、照は語ってくれた。

「鏡が、摩耗している」
「鏡って、照魔鏡か?」
「そう」

照魔鏡。本質を暴く鏡。
それが摩耗するとは、一体どういうことだろう。

「人の本質っていうのは、単純だけど強いもの。だから、そういうのを見続けていると、ちょっとね」
「なっ……!」

それは、あまりにも残酷すぎる。
照は、照魔鏡に頼っている。1年しか共に過ごしていない私でも感じたことだった。
麻雀でも私生活でも、照魔鏡が宮永照を支えていると過言ではないだろう。
それが、摩耗する?

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