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いつもの香霖堂

「今日はいい天気だねぇ」
「お前、いつもそればっかだな」

魔法の森の入り口近く。そこには謎の古道具屋があった。
店主の名は森近霖之助。彼は一人で店を開き、生活している。
と言っても、客の姿はない。いや、正確にはいるのだが、客と言えるような人物ではない。

「天気良くても引きこもってんだろ?」

辛辣な言葉を掛けたのは綺麗な金髪で黒い衣装を身にまとった魔法使い、霧雨魔理沙だった。

「まあね。でも、近いうちにまたあそこに行かないとなぁ。新しい物を仕入れたい」
「んなもん拾って来たって売る気ねぇんだろ?」

そう、この古道具屋は販売店なのだが、霖之助自身はその物を売るつもりは全くないのだ。つまり彼はコレクションとして店に物を出し、それを非売品としている。故に、道具の仕入れというのは全くの無意味なのだ。

「非売品なのに店に出すなよな。盗まれるぜ?」
「君以外に盗む人はいないのさ」
「店にばかり籠ってないで、たまには運動したらどうなんだ?」
「その内ね」

霖之助はいつもそうやっていなす。魔理沙の言葉はあまり真剣に聞いていない。霖之助は道具以外には無関心なのだ。

「そういや、最近人里では何やらにとりが作った機械が人気らしいぜ?」
「河童の?いったいどんな?」
「見に行ってみたらどうだ?」
「めんどくさいから今話してくれ」

食いつきはしたが、本にばかり目が行っている。興味はあまりないようだ。

「何でも、ランニングマシンって言うらしい。機械が動いて、その上を走るんだとさ」
「面白そうじゃないか。その走る人々は何処に行くつもりなんだろうね」
「さあな。お前もやってみればいいんじゃね?私はもう失礼するぜ」

魔理沙は箒を肩に担いで店を出ようとする。

「お客さん」

霖之助が魔理沙を引き留める。

「物を持っていくならお金を払ってくれ」
「ちぇー。ケチな野郎だぜ」

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