ジャンル:Voltron お題:小さな幻想 制限時間:15分 読者:70 人 文字数:924字 お気に入り:1人

小さな幻想(キース)




「最近夢の中で、グリーンが出てくるんだよね」

夜の食卓で、緑のゼリーに触発されたのか、ピッジが誰に言うでもなくつぶやいた。

「仲がいいことだなぁ。オレは女の子の夢を見るので忙しい」
「それってさぁ、ただの夢?それとも本当にグリーンが干渉してきてるの?」

それって結構怖くない?だってさぁ、と続けるハンクを遮ってピッジは唸った。

「うーん、どうだろう…正直ちょっとわかんない…っていうのもね……」

ふと、彼女が上げた目線では騎士全員が続きを待って静かにしていた。

「……やっぱいいや」
「なんだよ!最後まで言えよ!」
「だって、なんかそんなに注目されると言いづらいよ!ちょっと気になっただけだし!」
「半端に聞かされると気になるな…でも、危険はないんじゃないか?」

ライオンのすることだし、といっていたシローの言葉が思い返される。
そんな光景をなんとなく振り返りながら眠りについたからか、キースはふと気がつくと、自室で眠っていたはずが、知らない場所に立っていた。

平らな世界で、なにもない。
地平線まで大小の星々が続いているようにも、煙がかっているようにもみえる。
もしかしたら雲なのかもしれない。
幻想的な世界に、夢なのかとひとりごちた。

何もない世界で何をしようか考えていると、ごつんと堅めのものが背中に当たる。
振り向くと同時に足元にその硬いものが落ちて当たるのを感じる。

「なんだ?」

両腕を軽く上げて体をひねると、そこにはレッドが黄色の目を光らせて立っていた。

よく見知った塗装とパーツ。
そのかわり、

「ち、小さいな…」

にゃーとぎゃーの中間くらいの声が返ってくる。
床に座ると、生身の猫の様に膝に乗り上げてくるレッドをみて、キースの口のはしが持ち上がる。

「なに、遊びたいのかよ」

硬い頭を手のひらでそっと押さえる。
毛がないのでするりとすべりはしないが、レッドは軽く手を押し返してくるのに合わせて、前後に動かしてやる。

「今日もよくやったな。いつも頼りにしてるよ、レッド」

もしかして、ピッジが見たのはこんな夢だったのかもしれない。
気が向いたら明日聞いてみようと、キースは夢もなかで呟いた。

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