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七つ色

憧れていた、夢の舞台。
キラキラと輝くその場所に、自分が立っていること。
歓声が、自分たちに向けられていること。
今までの緊張がぶわっと全身に高揚感として開放されていく感覚。


「こんばんわー!アイドリッシュセブンです!」


登場するだけで、名前を呼ぶだけで、歓声が上がって、ブレードの光が波打つ。
なんてすごい光景なんだろう。
ベッドからTVで見た映像よりも、ずっとずっと、凄いパワーを持っている。


「お疲れ様です!」

「陸くん、お疲れ様。」


気さくな笑顔で答えてくれたのは、TRIGGERの十さん。
今日は同じ音楽番組で共演していたから、楽屋の廊下でちょうど会うことができた。
スタッフさんがまだばたばたと駆け回っているから、機材が置かれている場所の隅っこのほうに寄る。
それでも、背の高い十さんは目立ちそうだ。


「凄いね、アイドリッシュセブンの人気。」

「ありがとうございます!TRIGGERに負けてられませんから!」


ぐっと握りこぶしを作って見せ、宣戦布告。
ライバルだけど、十さんはとっても優しくて、そんなオレをうんうん、と頷きながら見てくれる。


「勿論、俺たちも負けないから、お互いに頑張ろうね。」

「はいっ。」

「それに今度、ライブがあるんだろう?」


そう。オレ達アイドリッシュセブンのソロライブ。たくさんの人がかかわって、応援してくれるからこそ実現する、
夢の大舞台だ。
最初は、全員がバラバラのまま、散々な結果のライブを行った。
それから、少しずつ、泣いたり、笑ったり、怒ったり。
メンバーの中でも、たくさんの問題を抱えて、それも一つ一つ解決していって…。
最終目標の、第一歩がようやく踏み出せた気がする。


「はい。ライブは、やっぱり特別ですね。オレ達に会いに来てくれる、歌を聞きに来てくれる…って、
アイドルでいて、こんなに幸せで嬉しいことはないです。」

「陸くんは、本当にアイドルが好きなんだね。」


十さんが感心したように言うけど、その言葉には足りないところが少しある。


「オレは、昔からアイドルのような、人に夢を与える仕事に憧れてました。」


病弱だったオレに、夢と勇気と、元気を与えてくれた天にぃ。
まさに、天にぃがオレにしてくれたみたいに、たくさんの人に勇気と元気を届けたい。
もちろん今もそういう思いは持っているけど、今はそれにプラスした想いがある。


「今は、オレはアイドリッシュセブンのメンバーとして、みんなに夢を与えたいんです。」


センターにオレを抜擢してくれたこと。
一度はそれに押しつぶされそうだったのを、みんなに支えられて、ここまで来られた。

一織、大和さん、三月、環、壮五さん、ナギ。

このメンバーだからこそ、唯一無二の「アイドリッシュセブン」が出来ているんだ。
だから、オレは『アイドリッシュセブン』の『七瀬陸』として、思い切り、オレの歌声を届けたい。
たくさんの人に届くように、思いを込めて。


「本当に、いいグループだなあ、アイドリッシュセブンも。」

「そこは、『も』なんですね。」

「そりゃそうだよ、俺は、TRIGGERが一番だ、って思っているからね。」

「負けませんよ、ブラホワがマグレじゃないって、大波乱を起こして見せますから。」


大きく出られるのも、みんなと一緒なら、出来るって確信があるから。
新しい夢を、一緒に。

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