ジャンル:刀剣乱舞 にほへし お題:もしかして娘 必須要素:骸骨 制限時間:30分 読者:21 人 文字数:1422字 お気に入り:1人

【未完】その娘、○○につき【にほへし】 ※未完

 余りにも突拍子のない考えで、冷静であれば何を馬鹿なことと一笑できることであったとしても、混乱している最中であれば、どうだろうか。
 余りにも馬鹿馬鹿しい考えは、脳から送られてそのまま口から飛び出した。
「お前、孕んだのか、その娘」
「孕んでもないし生んでもない!!」
 スパン! と嫌なくらい済んだ青空に、平手打ちの音が響き渡った。

 握り拳でなかったのはせめてもの温情か。いや、温情であるのならもう少しばかり手心を加えてくれてもよかったのではないか。ヒリヒリと痛む頬を撫でさすりながら、茶屋の斜め向かい、へし切長谷部の隣に座った娘を見やる。
 骨に皮がかろうじてへばりついているような娘だった。ざんばらの黒髪が腰まで伸びていなかったら、女物の着物を着ていなかったら、女と見抜くのも難しいような有様で、もはや歩く骸骨と言ってしまっても遜色ないような惨状だった。
 不躾にじろじろと観察される視線が気に触ったのか、娘はへし切長谷部を盾に身を隠そうとした。
 当然だろう。そこらの男よりもガタイの良い男にじろじろ見られていい気はしないだろう。当然のはずなのに、酷く気に触って仕方がない。
 苛立ちを誤魔化すように、目の前の茶へと手を付ける。
「そう睨むな。怯えてらっしゃるだろう」
「睨んでねぇよ」
「大丈夫ですよ、噛み付いたりしませんから」
 娘を宥める常よりも柔らかい声音が、さらに苛立ちを増長させる。
 何だ。何故こんなにも、俺は苛立っている?
 自分自身に問いかけても、答えはでるばかりか更なる苛立ちへと繋がっていく。悪循環でしかない。
「で、誰なんだよ。そいつ」
 俺との子じゃねえのなら。浮かんでいた馬鹿馬鹿しい考えは流石に言葉には出さない。
 へし切長谷部はちらりと周辺を伺って、端的に答えを口にする。
「貧乏神だ」
「貧乏神……貧乏神ィ?」
 よもや自分の馬鹿馬鹿しい考えよりもさらに突拍子もない答えが聞けるとは誰が予想しようか。いや、予想できない。
 娘を改めて見れば、言われてみればなるほど確かに貧乏神かもしれない。しないの、だが。
「……娘の貧乏神か」
 貧乏神、と言われて思い浮かぶのは娘のように骨に皮がへばりついているくらいやせ細った男の老人だ。しかし、目の前にいるのは女で、それなりに若い見目をしている。いっそ、座敷童の変わり種と言われた方が納得できるくらいに。
「ああ、珍しいだろう? 俺も初めて見た時は驚いた」
「へえ……で? なんで貧乏神を連れて歩いてんだよ」
「主がうちに来る? とお誘いになったからだ」
「なんで誘ってんだよ」
 貧乏神を嫌がらずもてなせば、貧乏の代わりに福がやってくる。それなりに知られた話ではあるが、自分で招いた場合適応されただろうか。
「そこら辺の事情に首をつっこみたいか? つっこみたいのなら喜んで巻き込んでやる」
「……やめておく」
 面倒そうな案件は、もう既に抱えている。これ以上は手に余る上に、抱え込むつもりもない。
「そうか。ならいい」
 へし切長谷部も率先して巻きこむ気はないようで、自分の分の茶へと手をつける。
「だから、お前の子でも別の子でもないから安心しろ」
「俺が悪かったから掘り返してくれるな……」
 罰が悪そうにそっぽを向けば、へし切長谷部の手によって彼の方を向かされる。
「それに……それに、もし、孕んだら。お前に真っ先に、言う」
 ヒリヒリと痛む頬が、

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