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雰囲気で読んでほしい【赤→桃】


 知っていた。
 気づいていた。
 僕たちが、いや、俺たちがバラバラになっていくのを、ずっと傍で見ていた存在に。支えてくれていたその瞳に、決して零さないように堪えられた涙があったことを。
 立つ場所は違っていたけれど、一緒に戦ってくれていた仲間。選手である自分たちとは別の才を、最大限に振るって尽力してくれていた優しく強い女の子。
 僕は、俺は、知っていた。気づいていた。
 <キセキの世代>を諦めなかったのは、六人目だけではなかったこと。僕を倒し、俺を倒し、最後に<キセキの世代>を繋ぎなおしたのはまさしく彼とその光を中心とした彼ら誠凛高校だけれど、<キセキの世代>(中学時代のチームメイト)が再び共に在れる日を夢見て、諦めきれず願っていたのは、ずっと、別れの日から祈っていたのは自分たちのマネージャーであること。
 六人目は――黒子は言っていた。自分は一度諦めたのだと。
 そして、火神に『殴ればよかったのだ』と言われたと笑っていた。火神が背中を押してくれたと。
 彼女は――桃井は言った。黒子のおかげだと。
 自分は何もできなかった。黒子が諦めないでいてくれたからだと。
 
 俺は、桃井にも感謝しているのだと、告げることが出来なかった。
 堪えられた涙も、願っていたことも、祈っていたことも、何故か誰にも教えたくないと思ったから。
 多分、黒子は知っているだろう。ありがとう、と彼女がお礼を言っているのを聞いた。そんな彼女に、優しく笑いかけているのを見た。そして、続けて、青峰君は幸せ者ですね、と。
 どろり、胸中を重たいものが渦巻いた。
 桃井の気持ちは知っていた。その想いが結び難いことも察していた。
 ――その傍にある、もう一つの危険性には目をそらしていた。
 結果が分かっていて手を伸ばせない。そのうちに俺は僕になって。俺は、心の底で外を眺めて、彼女が自分たちを想ってくれることに何処かで安堵して。その涙を見ないふりして。そして、今。


 僕は桃井をマネージャーとしてみていた。けれど、俺は、彼女のことが。
 そして、また、俺の臆病は彼女の目に滲むものに手を伸ばせない。
 

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