ジャンル:アイドリッシュセブン お題:あいつの笑顔 制限時間:30分 読者:24 人 文字数:1832字 お気に入り:0人

メンバープラスワン

皆さんを支えるのが、私のお仕事です。
けれど、私は皆さんに支えられてばっかりで…。
きちんと、皆さんに頼っていただける、一人前のマネージャーになりたいんです。


「おはようございます、今日はよろしくお願いします。」

「こちらこそ、よろしくお願いしますね。」


顔を上げると、優しい微笑みで丁寧にあいさつしてくださるのは、
Re:valeのマネージャー、岡崎さん。
いつも穏やかで、でも多忙なRe:valeのお二人のスケジュール管理から運転手まで幅広くこなしてらっしゃる、
まさに敏腕マネージャー。でも、全然偉ぶらない、謙虚な方。
だからこそ、Re:valeのお二人も信頼してらっしゃるのが分かる。


「最近、共演の話も増えてきていますね。」

「はいっ、光栄なことです。Re:valeのお二人には、メンバーも可愛がっていただいているようで。」

「僕も二人からよく聞いてます、本当に可愛い後輩らしくて。」


温和な語り口に、私もついほんわかとしてしまう。
確かに、賞レースや売り上げとかを考えてしまえば、Re:valeは最大の障壁。
トップアイドルとして先頭を走っているのだから。


「おっほんっ。そこ、何のために今マネージャーが集められてるか、分かってるんでしょうね?」


大きな咳払いと共にその声が聞こえて、慌ててそちらを振り向く。


「姉鷺さん、おはようございます。すみません、お忙しいところ。」

「本当よ、さあ、時間もないんだからさっさとやるわよ。まったく。仲良しごっこはよそでやって頂戴。」


厳しい顔をしたTRIGGERのマネージャー、姉鷺さんが、ぱんぱんっと手をたたく。
けれど、私には全然怖く見えない。むしろその厳しさは、TRIGGERを愛していらっしゃるからこそ。
かっこいいTRIGGERを愛し、TRIGGERを愛するファンを大事にするためだと思うから。


「仲良しごっこ、でも今回は必要ですよ、姉鷺さん。うちの百と千が、いいチャンスだから張り切って
TRIGGER思いっきりも可愛がるといっていましたから。」

「いいチャンスってどういうことよ!?」


多分、TRIGGERはカメラが入っているところでRe:valeを邪険にできないのをわかってらっしゃるんだろうなあ…。


「全く、だから私はお断りしましょうって社長に申し上げたのに。」


今回の企画は、3グループの合同ロケ。何せ今話題のアイドルグループが3組もロケに出るとなると、
企画や移動、警備や設営など、決めなくてはならないことは多数ある。
その下打ち合わせの為に、マネージャーが先に召集されている。


「いいじゃないですか。カメラはありますが、夏休みを楽しんでもらうってことで。それに、編集が入りますから、
使える使えないのジャッジも我々ができますからね。」

「本当にありがたいです…。」


私が担当するアイドリッシュセブンは、その、よく言えば皆さん自然体…なのですが、
さすがにTVに乗せられないノリがあったり、オフレコの話がぽろっと漏れたり…
大和さんや三月さんが、セーブさせておけるくらいだったらいいのですが、ロケともなると…。


「僕らも、同行するとはいえ基本は自然に任して、後々の編集の際に立ち会えばいいそうなので。
僕らも夏休みとして羽根を伸ばす、ということも不可能ではないと思いますよ。」


夏休み…つい最近まで学生として取っていたものが、ほんの少しでひどく遠いものに感じる。
アイドリッシュセブンのマネージャーとして、奔走して脇目もふらず走ってきた。
自分のマネージャーとしての力不足が悔しかったり、アイドリッシュセブンの人気が高まっていったり、
その度に涙を流していた気がする。

でも今は、うちの『アイドリッシュセブン』は、胸を張って誇れる、素敵なアイドルグループになってきている。
ひいき目ではなく、皆さんを見て、そう思えている。


「…いえ。私達アイドリッシュセブンの人気が更に上がるように、マネージャーとして頑張ります。」


二人の視線が私に注がれる。


「いいですね。素敵な表情です。」

「うちのTRIGGERは当然ながら、私だってマネージャーとして小娘になんか負けるわけないでしょう。」


マネージャーの先輩を、いつかライバルと呼べるように。
私は笑顔で、アイドリッシュセブンを支えていく。
これからも。

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