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ごほうび ※未完

明らかに嫌々という様子で赤司は玄関を出て行った。今日帰ってくるか明日帰ってくるか、わからない。今日帰ってこないなら、自分で食べればいい。緑間は台所の入口にぶら下げられていたエコバックと財布を持って家を出た。雨は降らないであろう曇りの天気、赤司はなおさら憂鬱になっていただろう、と想像する。駅までの20分程度、歩けば気も紛れる。行くと決めたらそのうち気分も切り替えられるだろう。緑間は少しとおくまで歩くことにしていた。スーパーではなく露地の無人販売所を目指した。
『のどかなものだね』
こちらに赤司が訪れるようになってから、赤司はよく家の周囲を散歩していた。そのうち自転車を購入して、かなり遠くまで『冒険』をして帰ってきた。赤司が楽しんでいるのなら何でも構わなかった。高尾から聞くところによると、現役時代の赤司はそれはそれは働いていたらしいので、すべてから解放されている今の時期、好きなだけ羽をのばせばいい。
『先に買っているのを見たから、足を止めて観察したんだ』
赤司が冒険の先で見つけたのが、無人販売所だった。棚の上に野菜が乗せられ、その棚の上に貯金箱らしきものがあって、商品が欲しい者は、そこに書かれた金を入れていく。店員はいないのだという。
『そんなことが成り立つんだ、ここでは。自分がいったいいつの時代にいるのだろうとめまいがしたよ』
消費税が含まれているのかどうかわからず、予備的に少し多めに金を投入してきたのだという。
『野菜の出来もよさそうで、書かれた金額がスーパーの3分の2程度だった。商売をする気はなさそうだね』
今ならわかるが、彼らは農家ではなく趣味で菜園を行っている人々が、自宅で食べきれなかったり、自宅の者が野菜嫌いで消費者がいない場合、そうやって販売するようだった。小遣い稼ぎに行っている者も中にはいるらしい。税金はどうなっているのだろう。




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