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何らかのゆとり ※未完

 ひどい匂いのする腐った水をモロに浴びた仲間たち、そして私は、駆け出しの安っぽい生地でできた装備をばらばらと地面に一個ずつ置いていく。その姿が、なぜだか愉快で仕方がなかった。
 別に、下心などあったわけではない。
 鼻が曲がりそうなほどの悪臭で、そんなことを考える余裕もない。
 あたりには理不尽が漂っていた。
「ちぇ、なんだよこれ、聞いてねえぞ」
「てめぇがいじったからだろうが」
「うるせえ、なんかあったら触りたくなるだろ! そうじゃなきゃ冒険者じゃない」
「その気持ちだけは分かる。悔しいことに」
 さすがに耐えかねて、ひらひらと鼻の前で手を振ってつまんだが、この理不尽の気配が、私は好きだと思う。防具なんて棄ててしまえなどとうそぶく、酔っ払いの戯言を思い出した。
 防具なんてないほうが防御力は上がるのだ、と、偉そうに言ってみせるのだ。なんだ、テメェ、賭けに負けて身ぐるみ剥がされただけじゃねえか。うるせえよ。
 そういうたわごとは、嘘というよりは、もう、放言というか、放っておいて責任をとるつもりはない、虚空に投げられたボールである。でも、私はそういう嘘が好きだった。
 けれど、私は、とくに、パーティーの命を預かるメディックとして、今まで自分の常識に従って生きてきたので、理由がなくては、こういうことはできないのだった。
「ひっでえにおいだ。近寄るな」
「腐ったチーズみたいな匂いがする」
「チーズって腐らせて作るんじゃなかったっけ?」
「いや、腐ったチーズだよ」リーダーはうわごとのように繰り返した。「ヨーグルトってしばらく食べたくないな」
「んだね」
 どうせ、町に戻って3秒後にはこんなことは忘れ果てて、目の前に差し出されれば食べるに決まってる。そんな奴らだ。目先のことしか考えてなくて、いつも行き当たりばったりで適当なことを言う。そういったバイオリズムを持たない生態の仲間は、殊勝にも地図を庇っていた。貧相な体をかばう様なかわいげはあるみたいだ。
「とっとと帰ろう。私が前に立つから、ほら」
「いいです」リーダーはきっぱり言った。子どもみたいな意地を張っている。「テメェが倒れまくるから探索が進まないんだろうが」
「いいんじゃないか」私はほんとうはこういうアホみたいな意地が好きだが(命がある限りは)年長者として僅か良識ぶってみせた。「どうせ大してかわらないだろ」

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