ジャンル:カルジュナ お題:やば、宇宙 制限時間:15分 読者:244 人 文字数:1427字 お気に入り:0人

【カルジュナ】バンドマンx一般人

ゲリラライブも大盛況のうちに終了。メンバーのテンションも(主にアストルフォが)上がり調子。マネージャーが頭を抱えていても気にしない。何故なら皆、インディーズの苦しみをも自分たちで乗り越えてきたのだから。

「後悔しないわ、闇夜のオール、振り上げ掲げて!夜道に、お気をつけあそばせ!」

アンコールで即興的に歌いながらアストルフォが拳を突き上げる。キーボード担当のジークフリートが珍しく楽しそうに笑うもので、ギャラリーから黄色い悲鳴が上がった。
虹色に光るライトの下で飛び跳ねるのはなにも肉体だけではない。煌く瞳、湧き上がる心、飛び交う未来への希望。そういう、どうしようもない何かを振り上げて歌っている限り、自分たちは無敵なのだ。それが、アストルフォがカルナに明るく言い放った、結成当初からの信条だった。



「いや~、大成功だったね~!」
「よく言うぜ、あそこでトチってたの、気付いてたからな」
「王様、ひどーい!終わり良ければ、すべてよし!だよ!」
「こらこら暴れるな」

移動用に自分たちで所有しているミニバンに詰め込まれながら帰路を急ぐ。

「カルナ卿も、ご機嫌だな」
「分かるか」
「わっかる~!」

シャルルマーニュとアストルフォが後部座席でコーラスした。ゲリラライブが終わった直後、ギャラリーのファンたちが口々に叫んだのだ。「カルナ、がんばれ!」「お幸せに!」「なにも悪いことなんかしてないぞー!」と。この国の同性カップルは確かに厳しい状況に立たされることも多い。しかし、カルナはそうして大々的に公表することで世間を味方につけたのだ。
思ったよりもうまくいった、とカルナは胸中で少しばかり安堵する。
自分の夢、とまではいかないが、やはりどこかで音楽を楽しむ気持ちがある。それと同時に、恋人を、アルジュナを手放したくないと心が叫ぶ。そのどちらをも選ぶことはできない。取捨選択するにはカルナは若いのだ。

「あっ!」

ミニバンは運転手をジークフリートとして進んでいた。カルナの、アルジュナと同棲中のマンションの前に来た瞬間、アストルフォが声をあげた。

「アルジュナ卿だ!」

マンションの入り口で、夜も遅いというのに。
街灯と、エントランスから零れる光がアルジュナの肌を浮かび上がらせている。長い手足のシルエットと、僅かな光でも端正だと分かる顔立ち。
カルナはジークフリートが横づけしてくれた車から転がるように飛び出し、アルジュナの元へと駆け寄った。

「アルジュナ!」
「カルナ」

アルジュナは、いわゆる一般人だ。明日は仕事があるというのに、こうしてカルナを待っていてくれた。カルナはそれに嬉しさを覚え、思わず両腕を広げて抱き締めようとする。が、カルナに与えられたのは恋人との甘いひと時ではなかった。

「こ、の、馬鹿がァアッ!!!」
「「「!!??」」」

思い切り振りかぶったアルジュナの拳がカルナの鳩尾を綺麗に捉え、埋め込まれる。
思わず車の中のメンバーも固まった。蹲るカルナの前で仁王立ちをしたアルジュナは、腕を組んで宣誓する。

「実家に、帰らせていただきます!!!」

言うが早いか隠れていたキャリーケースを引っ張り出し、偶然通りがかったタクシーを拾い、颯爽と去っていったアルジュナ。
カルナが呆然とそれを見送り、しばらくしてから車の中のメンバーを振り向く。
メンバーも、これまたどうしたことかと顔を見合わせたのだった。

同じジャンルの似た条件の即興二次小説


見つかりませんでした。

梟光司の即興 二次小説


ユーザーアイコン
作者:梟光司 ジャンル:カルジュナ お題:高い扉 制限時間:15分 読者:44 人 文字数:1868字 お気に入り:0人
「というわけで家出してきました」「お帰りやがってください」「なんでです!?」キャリーケースを引き連れてアパートメントの階段を上ってきたアルジュナを認め、開口一番 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:梟光司 ジャンル:カルジュナ お題:冬のジジィ 制限時間:15分 読者:58 人 文字数:1819字 お気に入り:0人
この上なくスムーズに着陸し、おざなりな見送りを受けた後、空港近くのホテルへと向かう。ホテルのドアを潜るまではあくまで職務中のため、手を繋ぎたくても繋げないのが、 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:梟光司 ジャンル:カルジュナ お題:情熱的な小説 制限時間:15分 読者:67 人 文字数:1333字 お気に入り:0人
自動操縦へと切り替わり、あとは互い違いに確認を行いながら適宜微細な修正を行っていくだけだ。アルジュナはシートベルトを外し、コーヒーを淹れるために席を立った。空の 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:梟光司 ジャンル:カルジュナ お題:ラストは想い 制限時間:15分 読者:83 人 文字数:1584字 お気に入り:0人
微弱な振動を感じる。この離陸直前の振動を、カルナはもっとも好ましく思っていた。旋回し、水平を保つ頃には既に町など眼下のミニチュアだ。左翼がしなり、繋ぎとなってい 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:梟光司 ジャンル:ロビジュナ お題:これはペンですか?違うわ、それは人体 制限時間:15分 読者:67 人 文字数:1265字 お気に入り:0人
わたくし、子狐を一匹、飼っておりました。それはたいそう賢く、また人づきあいもよく愛嬌もあり、私がふいと目を離したと思えば、やれ羊の毛を刈う手伝いをしてきただの、 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:梟光司 ジャンル:ロビジュナ お題:生きている黒板 制限時間:15分 読者:67 人 文字数:1534字 お気に入り:0人
「何してるんです?」「…………何も」アルジュナが俺の部屋にやってきた。ガッタンゴットンと荒々しくひっくり返して掃除をしたばかりの俺の部屋にやってきた。両隣が空き 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:梟光司 ジャンル:謝罪探偵すまないさん お題:オチは風 制限時間:15分 読者:64 人 文字数:1286字 お気に入り:0人
「探偵さんはさがしものもとくいですか?」アルジュナがそう言いながら探偵事務所を訪ねてきたのがついさっき。探偵さんはアルジュナにあたたかいココアを出して飲むように 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:梟光司 ジャンル:ロビジュナ お題:小説の会話 制限時間:15分 読者:66 人 文字数:1434字 お気に入り:0人
「いや、」俺が言いよどんでいると、アルジュナは少し俯き、眉を下げた。こんな時にどういう反応をすればいいのかと迷っているようでもあったし、裁きを待つ罪人のようでも 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:梟光司 ジャンル:ロビジュナ お題:有名な喜び 制限時間:15分 読者:48 人 文字数:1238字 お気に入り:0人
俺がアルジュナと出会ったのは、ある意味で偶然を重ねた上での必然だった。サーヴァント時代の記憶を有していると気付いたのは、物心も着く前だった。むしろ生まれ落ちた瞬 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:梟光司 ジャンル:FGO お題:鈍い奈落 制限時間:15分 読者:95 人 文字数:793字 お気に入り:0人
あぁ痛いなちくしょう。なんだってほんと、オレなんかが世界を背負っちまったんだろうな。平凡が服着て歩いてるような現代日本の中流家庭の次男でさ、こんな血とか煙とか剣 〈続きを読む〉