ジャンル:ハイキュー!! お題:隠された手 制限時間:1時間 読者:339 人 文字数:1395字 お気に入り:0人
[削除]

メンヘラ赤葦と木兎さん【木赤(?)】

「木兎さん、俺を愛してくれないと死にます」


 そう、にっこりと妖艶に笑った赤葦は普段と違い、狂気染みていた。

 
 俺達が付き合ったのは、赤葦が高校を卒業する時、俺は午後からの授業だったので梟谷の後輩を祝いに行った時だった。
 久しぶりに会った後輩と他愛もない会話をし、昔を振り返り、そしておめでとう、と賛辞を送った。

 ただ少し気になったのは赤葦が少し、ソワソワしていたコト。
 関わらない方が良いか? と思ったが、やはり先輩の元部長として聞こうと思った。

「赤葦」

 いつも通り、まるで昔の様に名前を呼ぶと泣きそうな顔で此方を向いた。

「どうした、赤葦。…あんまり嬉しそうじゃ、ないな」

 卒業、やっぱり嫌か? そう言うとコクリと、素直に上下する。

「…けど、木兎さん達が来てくれて、嬉しかったです…!」
「そうか! それなら良かった!!」

 俺はそう云ってくしゃり、とくせっ毛の髪を撫でた。
 その時、妙に違和感を感じたが、俺は特に気にもしなかった。
 
「あの、木兎さん…」
「ん? どうした、あかーし」

 この時の赤葦の目は、まるで獲物を捕らえた肉食動物のようだった。眼光は鋭く、今にも襲いかかってきそうな目。
 今になって心底思った、敵ではなくて良かった、と。

 けどそのあとの言葉は俺の予想外のコトだった。

「…実は俺、木兎さんが好きです。…その、恋愛的に」

 少しうつ向いて云った。

 勿論、俺は吃驚したし意外だった。まさかあの赤葦が、と。
 けど、偏見とかないし、何より大切な赤葦のためだった、まぁ断る理由がなかったとも云える。だから返事は勿論。

「おう、俺も好きだぜ、赤葦!!」

 これ以上ないくらい、思いっきり抱き締めてやった。

 ちらり、と見たがその時の赤葦の耳はとても真っ赤だったのを覚えている。


 けど、今頃になってわかった。
 赤葦への違和感。

 手が異様に包帯でぐるぐる巻きだった。



「最近、木兎さん帰ってくるの遅いですよね? どうしたんですか?」

 付き合ってから赤葦は一人暮らしをした俺の家によく来るようになっていた。

 正直云うと、教えていない筈だ。


 そして来る度にわかる、赤葦の自傷行為のような跡を隠すかのような包帯やガーゼ。


 付き合ってから一ヶ月後、流石に見逃せなくなった。


「赤葦! なん、で…なんで自分を傷つけるんだよ!!」

 すると赤葦はわからない、とでも云うかのように首をかしげた。

「俺、何かしましたか?」
「なっ…! そういう問題じゃなくて!
自分を傷つけるなよ!!」

 そういうと目を丸くしてから、ふふと妖艶に笑った。

「木兎さん、俺のこと見てくれてたんですね、嬉しいです」

 俺の、気を引くため…?

「木兎さん、俺を愛してくれないと死にます。

それくらい、木兎さんを愛しているんです。 
…はは、少しでも俺の愛が伝わったんなら、嬉しいですよ」

 まさか此処まで俺を好きで居てくれてるとは、予想外だった。
 けど、不思議と嫌悪感は出ず、心が暖かかった。

 あぁ、俺も赤葦の毒刃に掛かったらしい。

 いつもよりも、赤葦をこんなにも愛しく感じる。


「ああ、俺もお前を殺したい程愛してるよ、赤葦__」





__これは全て、俺の掌の上の話___

同じジャンルの似た条件の即興二次小説


ユーザーアイコン
こころを殺せ ※未完
作者:ありがとうハピエレ、ありがとうスバ北 ジャンル:ハイキュー!! お題:今日の殺し 制限時間:1時間 読者:186 人 文字数:2783字 お気に入り:0人
世の中にはままならない事が多々ある。自分の思うように動いて貰えなかったり、希望した事が通らなかったり。努力に努力を重ねても、自分よりも才溢れる人間にどう足掻いて 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:誤字崎(CV島崎信長) ジャンル:ハイキュー!! お題:熱い嫉妬 制限時間:1時間 読者:611 人 文字数:775字 お気に入り:0人
彼の目はただ一点を見つめていた。一緒に来ていた松川とはぐれ、路頭に迷っていた時だった。彼を見つけたのは。唇をきゆっと噛み締め、瞳は冷めている。まるで深い海に来て 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:山田ゆい太 ジャンル:ハイキュー!! お題:薄汚いサーカス 制限時間:1時間 読者:1143 人 文字数:1647字 お気に入り:0人
コンバースの靴底で帰り道を踏む。すっかり乗り慣れた自転車を引っ張りながら。スマートフォンのホーム画面で時計を見る。20時30分。そりゃぁ、辺りはすっかり暗くなる 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:すみ ジャンル:ハイキュー!! お題:無意識のユートピア 制限時間:15分 読者:322 人 文字数:2561字 お気に入り:0人
「宮さん」 てっきり自分一人かと思っていた合宿所の廊下で、侑は聞き慣れない声に踵を返した。途端、「あぁ」と納得の声を出してしまって、目の前にあるそう身長の変わら 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:かなぶん。 ジャンル:ハイキュー!! お題:夏の「うりゃぁ!」 制限時間:30分 読者:211 人 文字数:1066字 お気に入り:0人
その日は全国的に真夏日で、天気予報の小綺麗な女の人が「今日は暑いですので、熱中症に注意して、水分補給を忘れずに!」なんて、暑さを隠して万人受け笑顔で言っていたの 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:誤字崎(CV島崎信長) ジャンル:ハイキュー!! お題:君と学校 制限時間:30分 読者:489 人 文字数:814字 お気に入り:0人
影山たまに、自分にとって一番大切な物がわからなくなる。それは1日悩んでもわからないときもあるし、一瞬でわかるときもある。何故わからなくなるのかはわからない。でも 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:こウメッこ ジャンル:ハイキュー!! お題:簡単な小説の書き方 制限時間:30分 読者:741 人 文字数:1479字 お気に入り:0人
簡単な小説の書き方ボールが弧を描いて彼の手元に来るように、俺がそのようなボールを上げるように、言わばそれは「日常の延長の当たり前」のように。俺がすんなり木葉さん 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:浮かれポンチあきもと ジャンル:ハイキュー!! お題:大人のもこもこ 制限時間:15分 読者:811 人 文字数:870字 お気に入り:0人
俺の部屋着と言えば、いまだに中学校の頃にはいていたジャージなのだが、及川ときたらこれで今月2枚目の部屋着を購入してきたらしい。こないだは、薄い灰色のスウェットだ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:コトト ジャンル:ハイキュー!! お題:今日の潮風 制限時間:30分 読者:593 人 文字数:1575字 お気に入り:0人
ねえ、岩ちゃん。おしては引いていく波の音でなにも聞こえないのに、口の形だけで俺のことを呼んだのだとわかった。まるくて穏やかな声が、口の形にあわせて勝手に再生され 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:ここに墓を建てよう✝たつひ ジャンル:ハイキュー!! お題:正しい魚 制限時間:15分 読者:962 人 文字数:916字 お気に入り:0人
大学に入って、何人目か忘れた彼女とデートで行った水族館。彼女は嬉しそうに、水槽を指さしてこちらを向いた。「オイカワ!」同じ名前だね、って言いたいんだろうけどさ。 〈続きを読む〉

匿名さんの即興 二次小説


ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:アイドルマスターSideM お題:私が愛した人々 制限時間:30分 読者:9 人 文字数:1073字 お気に入り:0人
冷たい手だった。薄れゆく熱の悲しさは何度経験しても慣れることはなく、それでも、ただ気丈に唇を引き締める。とっくのとうに手遅れだったことはお互いわかっていて、それ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:ウルトラマンジード お題:緩やかなパソコン 制限時間:30分 読者:17 人 文字数:834字 お気に入り:0人
「リク、どうしたの? それ」「拾った。何かに使えないかなって……」そう言い、リクはその画面に視線を落とす。画面には、完全に皹が入ってしまっている。使い物にはなら 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:青春鉄道 お題:限界を超えた魚 制限時間:15分 読者:17 人 文字数:484字 お気に入り:0人
『先輩ー……これ』まな板にのせられたそれに、上官たる我が後輩は『うへぇ……』といって顔を顰めた。『越後がとってきたんだよ。寺泊で。今日のつまみだ。』『だからって 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:文豪ストレイドッグス お題:限界を超えた魚 制限時間:15分 読者:17 人 文字数:417字 お気に入り:0人
橋を歩いている……魚影が過る。それもかなりの大きさだ。大きい魚代表のイルカやクジラは哺乳類だった気がするけど、あの大きさは、その手の哺乳類かもしれない。魚類の限 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:ゴールデンカムイ 金カム お題:失敗の時雨 制限時間:15分 読者:3 人 文字数:355字 お気に入り:0人
重く土のような匂いが先程までの喧騒を覆い隠す。強くはなく、しとしとと肌を湿らすような雨だ。簡単に言えば、任務に失敗した。眠れなくともその体を寝袋に入れておけばよ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:刀剣乱舞 お題:同性愛の絵画 制限時間:30分 読者:13 人 文字数:1057字 お気に入り:0人
「これは見てはいけないやつだ…」加州清光は僅かに震えながら呟いた。親切心だった。いつもなんだかんだ世話になっている初期刀殿がなにやら疲れた顔をしていて、主に聞け 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:吸血鬼すぐ死ぬ お題:くさい何でも屋 必須要素:ホモ 制限時間:15分 読者:17 人 文字数:1149字 お気に入り:0人
新横浜には少し変わった何でも屋がいる。『臭いものにはなんでも蓋をする』略して『くさい何でも屋』だ。正直、これには少し語弊があるかと思う。しかし、当の本人は気に 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:スーパーダンガンロンパ2 狛日 お題:穢された水 制限時間:15分 読者:4 人 文字数:607字 お気に入り:0人
「日向クン」名前を呼んでも返事がない名前を呼べば振り向いて眩しい笑顔で返事をしてくれる日向クンはいない絶望的だ。この世の中も、なにもかもキミがいないならどうでも 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:刀剣乱舞 お題:青い血液 制限時間:15分 読者:8 人 文字数:371字 お気に入り:0人
それは、突然訪れた。前置きも、脈絡もなく、本当に唐突に。 風の噂で聞いたことがある。なんらかの影響で普通ではない特徴を持って顕現してしまう刀がいるらしい。例え 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:スーパーダンガンロンパ2 狛日 お題:穏やかな笑顔 制限時間:2時間 読者:7 人 文字数:1262字 お気に入り:0人
「ねぇ、予備学科」学校帰りの途中で待ち伏せされていたこいつは人の顔を見ては予備学科、無能、凡人なんて言葉で罵倒してくる。「なんだよ」わざとっぽくうざそうにしてみ 〈続きを読む〉