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メンヘラ赤葦と木兎さん【木赤(?)】

「木兎さん、俺を愛してくれないと死にます」


 そう、にっこりと妖艶に笑った赤葦は普段と違い、狂気染みていた。

 
 俺達が付き合ったのは、赤葦が高校を卒業する時、俺は午後からの授業だったので梟谷の後輩を祝いに行った時だった。
 久しぶりに会った後輩と他愛もない会話をし、昔を振り返り、そしておめでとう、と賛辞を送った。

 ただ少し気になったのは赤葦が少し、ソワソワしていたコト。
 関わらない方が良いか? と思ったが、やはり先輩の元部長として聞こうと思った。

「赤葦」

 いつも通り、まるで昔の様に名前を呼ぶと泣きそうな顔で此方を向いた。

「どうした、赤葦。…あんまり嬉しそうじゃ、ないな」

 卒業、やっぱり嫌か? そう言うとコクリと、素直に上下する。

「…けど、木兎さん達が来てくれて、嬉しかったです…!」
「そうか! それなら良かった!!」

 俺はそう云ってくしゃり、とくせっ毛の髪を撫でた。
 その時、妙に違和感を感じたが、俺は特に気にもしなかった。
 
「あの、木兎さん…」
「ん? どうした、あかーし」

 この時の赤葦の目は、まるで獲物を捕らえた肉食動物のようだった。眼光は鋭く、今にも襲いかかってきそうな目。
 今になって心底思った、敵ではなくて良かった、と。

 けどそのあとの言葉は俺の予想外のコトだった。

「…実は俺、木兎さんが好きです。…その、恋愛的に」

 少しうつ向いて云った。

 勿論、俺は吃驚したし意外だった。まさかあの赤葦が、と。
 けど、偏見とかないし、何より大切な赤葦のためだった、まぁ断る理由がなかったとも云える。だから返事は勿論。

「おう、俺も好きだぜ、赤葦!!」

 これ以上ないくらい、思いっきり抱き締めてやった。

 ちらり、と見たがその時の赤葦の耳はとても真っ赤だったのを覚えている。


 けど、今頃になってわかった。
 赤葦への違和感。

 手が異様に包帯でぐるぐる巻きだった。



「最近、木兎さん帰ってくるの遅いですよね? どうしたんですか?」

 付き合ってから赤葦は一人暮らしをした俺の家によく来るようになっていた。

 正直云うと、教えていない筈だ。


 そして来る度にわかる、赤葦の自傷行為のような跡を隠すかのような包帯やガーゼ。


 付き合ってから一ヶ月後、流石に見逃せなくなった。


「赤葦! なん、で…なんで自分を傷つけるんだよ!!」

 すると赤葦はわからない、とでも云うかのように首をかしげた。

「俺、何かしましたか?」
「なっ…! そういう問題じゃなくて!
自分を傷つけるなよ!!」

 そういうと目を丸くしてから、ふふと妖艶に笑った。

「木兎さん、俺のこと見てくれてたんですね、嬉しいです」

 俺の、気を引くため…?

「木兎さん、俺を愛してくれないと死にます。

それくらい、木兎さんを愛しているんです。 
…はは、少しでも俺の愛が伝わったんなら、嬉しいですよ」

 まさか此処まで俺を好きで居てくれてるとは、予想外だった。
 けど、不思議と嫌悪感は出ず、心が暖かかった。

 あぁ、俺も赤葦の毒刃に掛かったらしい。

 いつもよりも、赤葦をこんなにも愛しく感じる。


「ああ、俺もお前を殺したい程愛してるよ、赤葦__」





__これは全て、俺の掌の上の話___

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