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まつがねの ※未完

だーいちゃん、と後ろから声を掛けられた。
屋上への階段を登り終えて、ちょうど扉を開くところ、そこでスマホが震えたので足を止めた。声を掛けられたからではなく、スマホによってだった。スラックスのポケットからスマホを取り出して、通知を確認、そしてアプリを起動した。それはほとんど無意識の操作で、アプリの通知は帝光グループのものだった。
(グループかもしれねーな
個人でのやりとりもあった。けれど黒子はまだガラケーなので、向こうに連絡したところで通知がない。過去行っていたメールの問い合わせのように、毎回アプリを起動して新着を確認しないといけないのだ。それでも、時代の波に乗れました、と喜んでいた。
結局のところ、通知は緑間からだった。朝から続く祝い言葉の続き。夜中に黄瀬と桃井から、朝に赤司から、そして昼に緑間。そのうち紫原からも来るのかもしれない。紫原は既読無視が多い。そもそも他人の些細なこと、生年月日に関心を持っていない。ただノリは悪くないので、他のやつらからのメッセージを見て、付き合いのように送ってくる可能性は高い。
そうして再びスマホをポケットにしまったところを見計らったように、桃井が声を掛けてきた。
んだよ
今日、練習終わってから、早く帰っちゃダメだよ
あ? 何でだよ
誕生日のお祝いするから
……本人に隠しておけよ
だって言わないと帰っちゃうでしょ?
んなこと、
ない、とは言い切れなかった。スマホをポケットにしまった時点で、部活が終わったら連絡してくるつもりなのかもしれない、と考えていた。黒子のことなので、直接言いたくて、とか言ってきそうだ、と思った。黒子はそういうやつだ。恥ずかしいことを、けっこうな割合で、言葉にする。だから。

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