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清光の手紙 ※未完

拝啓、主へ……

「あ~~もうダメダメ!!」
加州清光は書きかけの和紙をぐしゃぐしゃに握りつぶし、ぽいっと、背後のくずかごに向かって放り投げた。屑籠からは同じようにぐしゃぐしゃに丸まった和紙が溢れかえり、山となっている。
――こんな普通の書き出しじゃ修行のときの報告用の手紙と変わらない。
――もっとこう、沸き立つような、熱せられて叩かれてこの世界に生まれてきたときのような、そんな衝撃を主に伝えられるような書き出しはないものか。
はじめはただ、日頃の感謝を伝えるための手紙だった。だが書いているうちに、自分の心と手紙の上の文面に乖離があるような気がして、書き直しを繰り返していたら、ついには書き出しさえも我慢ならなく思えてきた。
そうこうしているうちに、万屋で個人的に買い占めたはずの手紙用の和紙が底をつきた。
「……とりあえず、いっかい休憩しよ」
最後の和紙と、背後の紙の山を見て、清光は急に冷静になった。
うーんと伸びをして、立ち上がり、ふすまを締める。そのとき、きちんと最後まで閉めればよかったと、清光は後に後悔する。

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