ジャンル:おそ松さん お題:馬鹿な海 制限時間:4時間 読者:115 人 文字数:964字 お気に入り:0人
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馬鹿と馬鹿の海


腐っている様に見える所があります。
死ネタっぽいです。
チョロ松sideです。



 さざ波が聞こえる。
 潮の独特の香りがする。

 これは、いつの記憶だったか__。



「死ぬ気か、チョロ松」

 昔、一人で海に来た事があった。

 皆が起きない朝早くに家を出て、誰にも見つかっていない筈だった。
 別に置き手紙を置いていたわけでもないし、それらしい雰囲気を出した事もなかった。

 それなのに、長男にはバレてしまっていた。

「もう一度云うけど、お前、死ぬ気か?」
「…どうして、そう思うの?」

 自分は海の中に入っているわけでもないのに、何故そんな事を云うのだろうか、とただ単純に疑問だった。

「だって、こんな早くから海なんて行く奴、そうそう居ねぇだろ?」

 そうかな? と聞くと長男はあぁそうだ、絶対そうだ、といつも通り自信満々に答えた。

「海に行きたいんだったら、俺と一緒に熱海行けば良いだろ?」

 貴様、まだそれを引きずるのか。

「にしても、お前って本当に相も変わらずに馬鹿だよなぁ」
「はぁ? お前に云われたくないんだけど」
「そう、俺も馬鹿でお前も馬鹿。つまり此処は馬鹿の海~…ってな?」
「意味わかんないんだけど…」
「まぁまぁ良いじゃん良いじゃん」

 そう云っていつも通りに鼻を擦る。
 昔から変わらないクセ。

「ほんっと、変わらないよね。おそ松兄さんはさ…」
「んぁ? 何か云った?」
「いいや、別に何でもないよ」

 そっ、と長男は海に視線を向ける。
 変わらない横顔。変わらないクセ。変わらない性格。

 変わったのは、声とか趣味とかだろうか。

 けれど、やはり

「おそ松は変わらないでね__」

 僕が道を見失っても、いつものような笑顔で導いてね。
 家族思いの心を忘れないでね。


 俺の、最高の相棒さんへ___



「やっぱり、冬の海は冷たいよなぁ…。

けど、その分死にやすいし、何より人目につかないから楽だよなぁ…」

 水位が上がっていく。
 肺まで上がってくると、やはり水圧で圧迫され息苦しくなる。

 未練は大体断ち切ってきた。
 後悔はなくもないが、まぁ良いだろう。


 皆には悪いと思うが、もう無理だったや。



 御免ね、…ばいばい。



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