ジャンル:みの夏 お題:大人の薔薇 制限時間:1時間 読者:30 人 文字数:1533字 お気に入り:0人

ボンボンシュクレ恋の味


※未成年が誤ってアルコールを摂取します。

部屋で1番大きな窓を開けて、涼しい風が部屋に吹き渡る。
俺の膝の上に頭を乗せた夏来くんは、開口一番に謝った。

「...ごめんなさい」
「謝るのは俺の方だよ。ごめんね、リキュールボンボンを机に置いてたから食べちゃったんだよね」
「美味しくて、気づいたら全部食べてた…」

久しぶりに出来た恋人、夏来くんは赤い顔で微笑んだ。
アルコールの耐性とか俺が見てなかったとはいえ法で禁じられているとか、色々気になることはあるのに彼の顔を見ていると忘れてしまいそうだ。
今日は恋人になって初めて家に呼んだ。
張り切ってテーブルにお菓子を並べて好きなだけ食べていいよなんて、気前よく言ったらその中にリキュールボンボンが混ざっていたんだ。

「ふふっ、High×Jorkerみんな若くていっぱい食べるけど夏来くんも結構食べるね?」
「みのりさんが食べていい...って言ってくれたから、つい」
「俺も夏来くんが来てくれて嬉しくて、家中のお菓子を出しちゃった。つい、ね?」
「ふふ...」

夏来くんがクスクス笑う。
額のぬるくなっていそうなカエールアイマスクに手を伸ばすと、その上に夏来くんが手を重ねた。

「冷たい」
「人肌だよ?夏来くんはまだまだ火照ってるみたいだ」

重ねられた手が熱い。
真っ白な夏来くんの肌には似合わないギャップに、このまま肌が溶けてしまいそうに思えた。
そっと両手を彼の頬に添えた時、俺のスマホが鳴る。

「出るね」
「うん...」
「渡辺です」
『榊くんの様子はどうだ』
「薫、さっきは相談にのってくれてありがとう。
思ってたより沢山食べてたみたいで、まだ真っ赤だし体を起こすのも難しいと思う」
『フン、故意ではなくともプロデューサーには報告させてもらった。
後は彼に頼るといい。
僕が馬に蹴られないよう恋愛事にこれ以上巻き込まないでくれ。
それと、もう夕暮れだろう親御さんに話して榊くんを家に泊めたらどうだ』
「へ...?」
『もう一度だけ言うぞ、誤飲した未成年を家に帰すのはやめてさっさと宿泊準備を整えるんだ』
「薫?かお____切れた」

途方に暮れて下を見ると、健やかな寝息を立てて夏来くんはねむっていた。
長いまつげが夕暮れの伸びる影で更に綺麗に見える。
ピコンと軽い音とともに、プロデューサーから『夏来くんの宿泊許可が下りましたよ。帰宅の際は連絡お願いします』とメッセージが映る。

長く生きていた気持ちでいたけれど、なんだか途方に暮れてしまう。
テーブルを見ると、不用心にも夏来くんの食べたリキュールボンボンが1個だけ残されていた。

「残してくれたのかな?
ちょっと疲れたし、貰おうか」

これはファンの子がくれた。大人の俺が好きそうなお酒を甘く包んだもの、パッケージから高級感があり可愛い色の粒はひたすら甘そうだ。
手を伸ばし放り込む、ほろ苦い味ときついアルコールに味覚が支配された。
遅れて広がる強い甘み。

「はははっ」

アルコールには弱くないけど、美味しさに少し酔いと高揚感を感じる。
確かにこれは美味しいな。
ほとんど1人で平らげてしまった恋人の顔をまじまじ見てから、夏来くんの頭を膝から下ろして新しいアイスノンを取りに立ち上がる。

「...ん」
「おはよう夏来くん。
まだ立てないだろう?プロデューサーが外泊許可取ってくれたから今日は泊まっていきなよ」
「本当?」

夏来くんは嬉しそうに体を起こそうとして、ふらつくのをそっと抱きとめる。
体に触れられた夏来くんは、照れたように俺から顔を背ける。
恋人みたいだと思った後に恋人だと思い出した。
それはあまりにも甘い瞬間だった。

同じジャンルの似た条件の即興二次小説


見つかりませんでした。

ムスゴ@8/26 東7き55aの即興 二次小説


ユーザーアイコン
作者:ムスゴ@8/26 東7き55a ジャンル:みの夏 お題:大人の薔薇 制限時間:1時間 読者:30 人 文字数:1533字 お気に入り:0人
※未成年が誤ってアルコールを摂取します。部屋で1番大きな窓を開けて、涼しい風が部屋に吹き渡る。俺の膝の上に頭を乗せた夏来くんは、開口一番に謝った。「...ごめん 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:ムスゴ@8/26 東7き55a ジャンル:みの夏 お題:憧れの豪雪 必須要素:アメリカ 制限時間:4時間 読者:49 人 文字数:957字 お気に入り:0人
ロンドンの夜は深まり、濃い霧が光を覆っては不気味な雰囲気を醸し出す。屋敷の扉を開くと1人の人影が現れた。「おかえりなさい...」「今夜のカーチェイスも味気なかっ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:ムスゴ@8/26 東7き55a ジャンル:みの夏 お題:小説家たちの殺し屋 制限時間:15分 読者:52 人 文字数:495字 お気に入り:0人
膝の上に安らかな寝息。仕事も忙しく定期テストもあった1週間が終わって、クタクタの夏来くんは事務所に着くなり俺の膝を借りて寝始めた。硬いであろう膝で恋人は幸せそう 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:ムスゴ@8/26 東7き55a ジャンル:みの夏 お題:狡猾な祝福 制限時間:15分 読者:54 人 文字数:1232字 お気に入り:0人
7人乗りの新車を駐車場に入れるのは、何度やっても緊張する。社長が気前よく自腹を切った社用車第二号は主に社長の利用するものだけれど、仕事が増えた今の315プロダク 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:ムスゴ@8/26 東7き55a ジャンル:みの夏 お題:ゆるふわ愛され「うりゃぁ!」 制限時間:15分 読者:60 人 文字数:910字 お気に入り:0人
バレンタインには...プレゼントを、俺もジュンもみのりさんもたくさんもらった。お菓子。バスフィズ。すごろく。...それに、綺麗になるもの。プロデューサーさんが 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:ムスゴ@8/26 東7き55a ジャンル:みの夏 お題:穢された水 制限時間:15分 読者:111 人 文字数:1387字 お気に入り:0人
※アニマス2話時空アイドルが好きだ。キラキラと光る姿は本当に目が話せないほど綺麗で見惚れてしまう。スカウトがきたときは驚いたけどピエールと恭二と3人なら俺もきっ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:ムスゴ@8/26 東7き55a ジャンル:みの夏 お題:壊れかけのロボット 制限時間:30分 読者:111 人 文字数:980字 お気に入り:0人
「榊」「恭二さん...おはようございます」「おはよう」事務所で一人雑誌を読む榊を見つけた。何があったわけでもないのに顔を見ていると申し訳ない気持ちになる。きっか 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:ムスゴ@8/26 東7き55a ジャンル:みの夏 お題:楽しい私 制限時間:30分 読者:99 人 文字数:706字 お気に入り:0人
「本当に...?」「うん、ちょっとだけだけど一緒においで」「行く」事務所のホワイトボードの前で夏来くんに出会った。俺の仕事終わり時間は伝えてたけれど、夏来くんは 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
春に雨が降る ※未完
作者:ムスゴ@8/26 東7き55a ジャンル:みの夏 お題:ありきたりなサーカス 制限時間:30分 読者:124 人 文字数:458字 お気に入り:0人
「「雨止みませんね」あの日も雨だった。しとしとと傘から雨を落とす彼は小さく笑った。Beitもハイジョも駆け出しで忙がしくて、お互いのことを気になってもよくわから 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:ムスゴ@8/26 東7き55a ジャンル:みの夏 お題:走る遭難 制限時間:4時間 読者:296 人 文字数:2865字 お気に入り:0人
時は流れた。横暴を極め最後には学園を半壊させた拝田丞の生徒会長時代から、鈴重零司が生徒会長に交代し学園外へも目を向けた外向的な空気が流れ始めた。私は一介のアンド 〈続きを読む〉