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ずっと前から、

俺が貴方にどう思っているのか知らないから、貴方はやりたい放題だ。
「友達だから」って、俺にからかわれても何だかんだ許してくれるその無垢な笑顔を見るたび、俺はどうにかなってしまいそうになる。
そしてふと、俺は貴方がどこまで俺のことを許容してくれるのか気になったのだ。
貴方はいつも通り俺の呼び出しにヘラヘラとやって来て、「どうしたの?」と何とも間抜けな面をしていた。二人きりの屋上に一瞬静寂が訪れた。俺は黙ったまま彼の元へ近づいた。彼は一瞬何かを覚悟したような表情になって、しかしまっすぐ俺のことを見つめている。俺のことを信じている瞳。俺はその目を向けられる度に心臓に刃物を突き立てられたような思いになる。だが俺はそのまま彼に手を伸ばし、腕の中に閉じ込める。
「…ッ!」
彼は、電気が走ったように俺から離れようとする。そんな彼の頬にそっと手を当てる。さらりとした肌を撫でる。彼はそれでも逃げようとはしなかった。
口づけをすると、彼はその瞼を閉じた。
「…ロス…?」
「……すいません」
柔らかい。温かい。
ちょっとした高揚感の後に訪れたのは、背筋が凍りそうになる程冷たい罪悪感だった。
俺は思わず目を逸らして、この場から逃げ出したい衝動に駆られた。
…ずるいのは貴方ではなく、俺の方だ。
貴方の優しさに甘えて、欲求をぶつけてしまった。
しかしそんな俺にも、彼は微笑んでいた。
「…初めてがロスで良かったよ」
慰めでも何でも無く、きっと本心なのだろうその言葉を投げかけて。
俺が穢す前から、ずっと前から彼はとっくのとうに穢れていたのだと俺は気が付いて、顔が熱くなるのを抑えきれずに、顔をしかめた。

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