ジャンル:血界戦線 お題:急な窓 制限時間:30分 読者:48 人 文字数:1290字 お気に入り:0人
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Rが呪われたおかげで幸せになれたSの話

レオナルド・ウォッチは衝撃とがれきの煙の中で目覚めた。
「おはようございます」
彼は常識的な礼儀正しい人間だったので、自宅の壁であったところをぶち破り、窓を作成した得体のしれない上司にもきちんと挨拶をした。寝起きの頭に驚愕の事実を叩き込まれ、混乱していたともいう。
「おはよう、少年」
部下の家に窓を作成したとは思えないさわやかな声で、スカーフェイスを輝かせ、かの上司は挨拶を返した。
早朝4時52分。レオナルド・ウォッチの月25000ゼーロの部屋には、急な窓が開いていた。

衝撃から解放された時には、目の前には満面の笑みの上司が座していた。どこから突っ込めばいいのかもわからないし、そもそも目の前の上司が怖すぎて何を言えばいいのかもわからない。なんでこの人こんな微笑んでるの!?

「あの、スティーブンさん」
「なに?」
なに?ではない。今の時刻わかってんのか!と喉元まで声がでかかったが、なんとか頭の中の冷静なレオナルドが総動員して怒れるレオナルド抑え込むことができた。
「ライブラ的に何か事件とか特別な事情があって僕の家にいらっしゃったのですかね…」
「いいや?完全に僕個人の事情だなあ」
「個人における部下の部屋に窓を新しく作成しないといけない事情って何です!?」
我慢しきれなかった。突っ込みをいれてから、スティーブンさんの顔を見ると、おかしなことを言っているのは自分のような気が
した。

スティーブンは考えた。ライブラの副官として考えて考えて考えて、結局自分が窓を作りに行きたいという欲求に抗うことができなかった。こんな厄介なことにならなければ、ザップあたりに行かせればよかったのに。結局自分が耐えられなかったのだ。

「レオナルド」
スティーブンが静かな声で名前を呼んだ。レオナルドは自然と背筋を伸ばす。
「お前は今、どこにいるかわかっていないんだろう」
「え」

レオナルドは思わず周囲を見渡した。ここは自分の部屋だろう?
そこで気が付いた。外の景色が全く見えない。スティーブンが開けた新しい窓の外も真っ白だ。どういうことだ?

「ここでずっとまどろみの中にいるか、僕のことを好きになってしまうとしてもこの部屋から出るか、二つに一つだ」

スティーブンが真剣な顔で、理解しがたい言葉を吐く。
混乱したままレオナルドは口を開こうとした瞬間、スティーブンは唐突に笑い出した。春風の笑みで。怖い。
「ああもうまどろっこしい、いいんだよなこれはチャンスなんだよな、この年になってこんな迂闊な恋をした男に神様とやらがくれたチャンスなんだよな」
スティーブンが瞳孔の開ききった瞳でこちらを見つめる。こえええよ!!

「レオナルド、出るぞ」「お前は俺に恋をするんだ、ざまあみろ!」
言うなりスティーブンはレオナルドの二の腕をつかみ、新しい窓に向かって飛び出した。


何が起きてもおかしくないHL、レオナルドは何らかの呪いにかかっていたらしい。
今、レオナルドの横には満面の笑みのスティーブンが立っている。頬が熱い、なんだこれは。

「ざまあみろ!これで僕と君はおんなじだ」

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