ジャンル:カルジュナ お題:限りなく透明に近い命日 制限時間:15分 読者:117 人 文字数:1539字 お気に入り:0人

【服飾パロ】記憶逆転カルジュナ

さて防犯ブザーで呼ばれるのは、何もむくけき男だけではない。カルナはアルジュナの元にはせ参じた三人を見やってチベットスナギツネの形相となった。

「うちの子に何か御用ですかムシュー!」

銀の髪を揺らしながらアルジュナの前で腕を広げるマリー。

「良い病院を紹介しましょう」

何故か白手袋を装着しながら現れたナイチンゲール。

「鉄拳制裁のお時間です!」

女優帽をセンスよくかぶりながら拳を構えるマルタ。

「でたなSEC●M三姉妹…」
「?」
「いや、この世界には無い概念だったかもしれない、忘れてくれ」

カルナは首を振り、三人の登場に何故か目を丸くしているアルジュナを見た。いくら三人の女性が間に入っているとはいえ、アルジュナの身長は高く、頭一つ飛びぬけてしまうのだ。

「女に守られるとは情けない」
「なっ!わ、私とて好きでこうなったわけではない!」

アルジュナが目を吊り上げてがなる。そこにサーヴァント時代の語調を見つけ、カルナは心の中で感嘆した。なにせこの世界で出会って、アルジュナに記憶が無いことをふまえると、常に敬語でいることが当たり前になりそうだったのだ。
カルナはアルジュナの、自分にだけ向けられる殺気を好ましく思っていた。清廉潔白の、染み一つないはずの道で、踏み越えなければならないものがカルナだった。カルナはアルジュナの染みになりたかった。それは靴裏ではなく、足先ではなく、衣装の胸元を彩る鮮烈な赤色でありたかった。血のように鮮やかに、夕日のように熱烈に、アルジュナにとっての唯一になりたかった。そして、サーヴァントである時、カルナはまさしくそれであった。アルジュナが必ず仕留めると運命を決めた相手になれる歓喜を、カルナは常に噛みしめていた。アルジュナが自身を目に入れる喜び、背徳感、優越感、何よりも勝る激情を、カルナは今でも思い出せる。いいや、忘れたことすらない。カルナにとって、サーヴァント時代の記憶は、つい昨日のものと同じように思えていた。

「有象無象の隔たりをもってしても、オレとお前の縁は切れない」
「……」

ナイチンゲールが眉を寄せる。本気で精神状態を心配されているらしかった。

「そしてお前は、オレが思うよりずっと阿呆な男だ」
「は、ぁぁあ!?」

アルジュナが素っ頓狂な声を上げる。おそらく、そう評価されたことは殆ど無いだろう。いや、むしろ皆無かもしれない。突然湧いて出たストーカーにそんなことを言われれば、カルナとて殴り飛ばすだろう。
しかしカルナは敢えて続ける。今がプラスでないのなら、もうこれ以上のマイナス評価に下がることはなかろう、という考えもあった。

「いいか、アルジュナ。デザイナーのお前が大成したいのならば、オレというモデルを利用する他ないはずだ」
「大層な自信で…」
「オレの経歴を見たな?見ただろう?そのモデルからの誘いを断ったデザイナーとして、お前は今後ひたすら評価に傷をつけられる」

カルナは必死に思考を回す。それよりも、常日頃から長い文章をしゃべらないことで退化したらしい舌を動かすのに必死でもあった。

「正当に評価されたいだろう。お前に期待をする者たちを裏切りたくないだろう」

カルナの言葉は、アルジュナの感情に触れたようだった。サーヴァントであった時にも、アルジュナが心を砕いていたこと。それは、自身を、加えて、「自分を取り巻くすべての環境」を肯定されること。そうでなければ、愛されている意味がない。
そしてアルジュナが、今もアルジュナであるならば、自分を取り巻く全てを無碍にはできない。全て抱えて、歩いていく他、無い男なのだ。

「オレをお前のモデルにしろ。お前を愛するものたちのために」

同じジャンルの似た条件の即興二次小説


見つかりませんでした。

梟光司の即興 二次小説


ユーザーアイコン
作者:梟光司 ジャンル:FGO お題:鈍い奈落 制限時間:15分 読者:39 人 文字数:793字 お気に入り:0人
あぁ痛いなちくしょう。なんだってほんと、オレなんかが世界を背負っちまったんだろうな。平凡が服着て歩いてるような現代日本の中流家庭の次男でさ、こんな血とか煙とか剣 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:梟光司 ジャンル:FGO お題:群馬の極刑 制限時間:15分 読者:58 人 文字数:810字 お気に入り:0人
拝啓、お元気でしょうか。この手紙を読む頃、貴方はどうしているでしょうか。この手紙を受け取ってしまったということは、つまり、私はもう生きてはいないということでしょ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:梟光司 ジャンル:カルジュナ お題:光の仕事 制限時間:15分 読者:57 人 文字数:1527字 お気に入り:0人
後に残されたカルナではあったが、はっと正気に戻った後に慌てて車に舞い戻り、あのタクシーを追え!と声を荒げたのだった。「もう見えないよぉ~ムリムリ~!」「アルジュ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:梟光司 ジャンル:カルジュナ お題:団地妻のオチ 制限時間:15分 読者:54 人 文字数:1370字 お気に入り:0人
さて、カルナは今日も今日とてアルジュナと共に登校する。アルジュナとカルナは文系理系クラスで正反対に位置しているとはいえ、同様の特別進学コースに在籍しており、なお 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:梟光司 ジャンル:ロビジュナ お題:素晴らしい外側 制限時間:15分 読者:52 人 文字数:1611字 お気に入り:0人
申し上げましょう、申し上げましょう。この僕の言葉で事足りるのであれば。えぇ、時間は大丈夫です。今はちょうど休憩時間ですから。刑事さんたちも、つい先日までこちらに 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:梟光司 ジャンル:カルジュナ お題:神の夕飯 制限時間:15分 読者:64 人 文字数:1435字 お気に入り:0人
「何故あやつに執着する」信長は特盛の豚骨ラーメンを今まさにすすろうとしながらカルナに問いかけた。カルナはというと、こちらも特盛の、味噌バターラーメンの麺をすすれ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:梟光司 ジャンル:ロビジュナ お題:殺されたガール 制限時間:15分 読者:88 人 文字数:1601字 お気に入り:0人
「付き合ってもらえませんか」俺の言葉に、アルジュナは目を丸くして、え、と一つの音を呟いた。俺とアルジュナは同じ大学で違う専攻を持つ学生だった。それが、バイト先が 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:梟光司 ジャンル:ロビジュナ お題:阿修羅極刑 制限時間:15分 読者:78 人 文字数:1426字 お気に入り:0人
申し上げます、申し上げます。私はひどいやつです。そうとはこれっぽっちも思ってなんかいませんが、私はひどいやつだと言っておきます。何故なら、きみがそう望むから。さ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:梟光司 ジャンル:ロビジュナ お題:見憶えのある解散 制限時間:15分 読者:73 人 文字数:1408字 お気に入り:0人
【或る依頼者の証言】申し上げます、申し上げます……っていうフレーズがあったじゃない?あれは告発をする人間の言葉だったけど。いや、うん、そういうものだと思って欲し 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:梟光司 ジャンル:ロビジュナ お題:空前絶後のボーイ 制限時間:15分 読者:83 人 文字数:1356字 お気に入り:0人
大学の掲示板に貼られていたのは、短期バイトのお知らせ。昼休みに一時間、指定された部屋できちんと機械が動いているかを監視するだけのお仕事。その時給の良さと、飲食し 〈続きを読む〉