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3と2と巡る季節



長い夏の間、サマー仮面なんてものをやっていた兄は秋がきてすっかり大人しくなってしまった。今日もさながら死んだ蝉のように、モスグリーンの床に寝転んでボーッと天井を見つめている。ソファーにはもう1人、赤い兄。
死んだ蝉、もといカラ松の肌は日に焼けて夏の名残を残しているけれど、僕はといえばさして焼けずに白いままだ。窓から入り込む秋の空気に二の腕をさする。

「夏が終わった途端に大人しくなっちゃってさぁ」
言いながら死骸のカラ松を蹴り転がしたおそ松は、そのまま部屋を出て行った。傍若無人。僕ならキレてる。カラ松は黙ったままだ。

「カラ松、お前ちゃんと怒った方がいいよ。今の完全に無意味な蹴りだったでしょ」
「ああ……うん、そうだな…」

セミファイナルも起こさない兄は、いよいよほんとうに死んでいるようだった。死んだ目が天井の木目をなぞっている。

「ヤバいねお前…。夏終わった途端そんなになっちゃうんだ」
「そうだな……」
「いや、話聞いてないだろ」
「そうだな……」

気の無い返事にため息をつく。

「冬になったらどうするんだよ」
「ああ、冬は一松の担当だからな…」

はあ、なるほど。

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