ジャンル:千銃士 お題:白い娘 制限時間:30分 読者:79 人 文字数:1277字 お気に入り:0人

ハロウィンごっこ ※未完

 レジスタンス内で計画されたハロウィンの催しを前に基地―――特に、貴銃士の暮らす宿舎は浮足立っていた。
 日々繰り広げられる世界帝軍との戦いの中で消耗は激しく、決して裕福とは言えない環境の中でせめて一時の憩いとなるように、と企画したのは他でもない支部長の恭遠だった。圧政化に置かれた町での祭事も少ない中、こういった"息抜き"がひいては構成員たちの士気の向上へつながるのは、多分悪い事ではないと思う。

「―――だからって、僕なんかがはしゃぐ理由もないと思うんだけどさ」
 ひとりごち、僕は衣装を買い揃えるため市場に出ていた。キセルもケインさんも昨日までに衣装を完成させていて、残るのは本当に僕だけだった。それでも、二人が部屋の中で夜ごと催しを楽しみにしている姿を見れば、いささか満更でもないような気がした。
 もちろんお互いの衣装はハロウィン前日のお披露目まで秘密にし、買い出しもみんなバラバラに出向いた。言ってしまえば、僕自身が仮装を楽しむつもりはさらさらなくて―――そもそも、そういう性分でもないし―――どちらかといえば同室の二人が楽しんでいるのを一緒に、というのが本心なのかもしれない。
 僕はそれらしいものを数点買い込み、体勢を整える程度の買い物で済ませてしまった。僕の準備が終わらない事には、二人のお披露目もかなわないからね。

 ディナーを終え、シャワーを浴びた後に3人で自室に揃う。深夜がちな僕らの任務も幸いに飛び込まず、予知通りのお披露目会。
「では、初めに私がよろしいですか?」
「うん……! ケインさん、けっこう凝ってたもんね……」
 最初に手を挙げたのはケインさんだった。目隠し代わりのカーテンを引き、数分の衣擦れの音の後。着替えて出てきたのは―――
「わ、凄い似合ってる……もしかして吸血鬼?」
「す、すごい、かっこいいねケインさん……!」
 赤い裏地の燕尾服に白く鋭い八重歯。トレードマークのモノクルはそのままに、赤い瞳と爪を光らせる見事なヴァンパイアの姿だった。
「ふふ、いかがでしょうか……? コンタクトレンズ少々慣れませんが、雰囲気が出ますでしょう」
 おおかた、ケンタッキー辺りから入手したのだろう。普段の青い瞳とはうって変わった魔的な印象。赤と黒をベースにした衣装もケインさんにはぴったりで、正装だと言ってしまってもなるほど、と頷けるほどの馴染み具合だった。
「じ、じゃあ次……俺、いいか、な?」
 僕とキセルによる喝采に照れたケインさんがカーテンの中に再び隠れた頃、小さく手を挙げたのはキセルだった。日本の怪物の衣装とは聞いていたが、さて。 
「ち、ちょっと時間かかっちゃうかも……」
 キセルはその腕に種々雑多な包みを抱え、目隠しの中へ消える。


 カーテンを使った簡易的な衝立からそっと垣間見る。
 そこにいたのは顔に白粉をまぶし、紅を引いた姿。白い着物を逆合わせに着た姿は死者の象徴だと、いつかキセルが言ったとおりの姿。血の気のない頬に黒々と光を吸い込む瞳が僕を吸い込むような錯覚。
「……ふふ、」
 だめだ

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