ジャンル:没カルジュナ お題:初めての宿命 制限時間:15分 読者:65 人 文字数:980字 お気に入り:0人

【没カルジュナ】服飾パロ続き

バタンッ!と大きくドアが閉まる音が響いた。マリーとアルジュナは肩で息をしながらドアに背をつけ、顔を見合わせる。どちらともなく瞳が弧を描き、笑みとなった。

「先程の貴方、とっても素敵だったわ」
「貴女こそ、気品と情熱の成せる業でした」

控室に様変わりした縫製室を横切りながら、アルジュナは額に浮いた汗をぐい、と手の甲で拭った。
マリーもドレスを翻しながらそれに続く。二人の視線の先には、真紅の髪色のカルナが口角を上げ、腕組みをしながら机に腰掛けていた。彼を知らない人間に、モデル専攻だと告げれば丸ごと信じられそうなくらいのたたずまいに、アルジュナは無意識に息を吐いた。

「お披露目会は上々だな」

むっとしてアルジュナが食って掛かるより前に、レオナルドが手を叩いて二人を称賛する。

「やぁやぁいいじゃないか、期待通りの働きだよ!これで世界も本腰を入れるだろう!」
「それよりも、だ」

カルナは緋色を揺らし、黒一色のスラックスを音もなく動かす。まるで舞台上の人形劇のようになめらかな動作でアルジュナに近付き、その黒い手袋に覆われた手でアルジュナの喉を撫で上げた。アルジュナも黙ってされるような性格ではなく、その手を叩き落とそうとしたが、くつ、と笑われ、その手すら反対の腕に遮られる。

「アルジュナ、あの男の顔を見たか」
「…」
「あの、大衆と同じく、でくの坊になった、無為の表情を見たか。お前に触れる権利の無さに絶望した男の顔よ」
「あれはもうカルナではない」

ほう、という感嘆。アルジュナの言葉を深く刻むように、アーチャーと名乗るカルナがアルジュナの瞳を覗き込む。二人の距離は、最早十五センチメートル以下にまで縮まっている。

「我らが宿業を忘れた存在なれば、あれはもうカルナに非ず。カルナという入れ物と外見をまねただけのクローンだ」

アーチャーの指先が、アルジュナの目元をなぞり、ゆっくりと頬を撫でる。

「そうだ。お前を忘れたカルナは、カルナではない」

アルジュナが、体側で必死に作っている拳のことを、誰も指摘しようとはしない。アルジュナは、得てして、スロットのような男である。あたりがあるように見せかけるために、何百回もの外れを経験させてから、人前でスリーセブンを一発でそろえるような。

「お前の病は、既にオレに奪われてしまったのだよ」

同じジャンルの似た条件の即興二次小説


見つかりませんでした。

梟光司の即興 二次小説


ユーザーアイコン
作者:梟光司 ジャンル:ロビジュナ お題:素晴らしい外側 制限時間:15分 読者:29 人 文字数:1611字 お気に入り:0人
申し上げましょう、申し上げましょう。この僕の言葉で事足りるのであれば。えぇ、時間は大丈夫です。今はちょうど休憩時間ですから。刑事さんたちも、つい先日までこちらに 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:梟光司 ジャンル:カルジュナ お題:神の夕飯 制限時間:15分 読者:38 人 文字数:1435字 お気に入り:0人
「何故あやつに執着する」信長は特盛の豚骨ラーメンを今まさにすすろうとしながらカルナに問いかけた。カルナはというと、こちらも特盛の、味噌バターラーメンの麺をすすれ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:梟光司 ジャンル:ロビジュナ お題:殺されたガール 制限時間:15分 読者:45 人 文字数:1601字 お気に入り:0人
「付き合ってもらえませんか」俺の言葉に、アルジュナは目を丸くして、え、と一つの音を呟いた。俺とアルジュナは同じ大学で違う専攻を持つ学生だった。それが、バイト先が 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:梟光司 ジャンル:ロビジュナ お題:阿修羅極刑 制限時間:15分 読者:49 人 文字数:1426字 お気に入り:0人
申し上げます、申し上げます。私はひどいやつです。そうとはこれっぽっちも思ってなんかいませんが、私はひどいやつだと言っておきます。何故なら、きみがそう望むから。さ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:梟光司 ジャンル:ロビジュナ お題:見憶えのある解散 制限時間:15分 読者:44 人 文字数:1408字 お気に入り:0人
【或る依頼者の証言】申し上げます、申し上げます……っていうフレーズがあったじゃない?あれは告発をする人間の言葉だったけど。いや、うん、そういうものだと思って欲し 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:梟光司 ジャンル:ロビジュナ お題:空前絶後のボーイ 制限時間:15分 読者:60 人 文字数:1356字 お気に入り:0人
大学の掲示板に貼られていたのは、短期バイトのお知らせ。昼休みに一時間、指定された部屋できちんと機械が動いているかを監視するだけのお仕事。その時給の良さと、飲食し 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:梟光司 ジャンル:カルジュナ お題:恥ずかしい彼女 制限時間:15分 読者:72 人 文字数:1433字 お気に入り:0人
「ッッ――ラァッ!」来る、と思ったのは、決してカルナの思い違いではなかった。鮮烈な赤。血よりももっと明度の高い、林檎や苺のような緋色。それが眼前に迫り、カルナは 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:梟光司 ジャンル:カルジュナ お題:戦争と悪人 制限時間:15分 読者:72 人 文字数:1468字 お気に入り:0人
従業員の顔が一瞬で青褪め、道を開けた。というよりも、脱兎のごとく逃げ出した。カルナとビリーは一気に走り出し、ピアノの乗るステージの横を通り抜けて二階への階段に足 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:梟光司 ジャンル:カルジュナ お題:もしかして凡人 制限時間:15分 読者:63 人 文字数:1258字 お気に入り:0人
ガゴンッ!と車体が揺れ、カルナが一瞬だけシートから浮く。咄嗟に庇ったベレッタをセットし直しながらフィンを見ると、どうやら運転席から何かを外へと投げているようだっ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:梟光司 ジャンル:カルジュナ お題:愛のプレゼント 制限時間:15分 読者:69 人 文字数:1297字 お気に入り:0人
「大層なご登場なこって」「いつもはデスクワークばかりだからね。たまに現場に戻ると良い刺激になる」「まぁいいや、カルナが君と行くと申し出た」「そうか」フィンはウィ 〈続きを読む〉