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【ゲー主♀】付けが回ってきた?

すっかり温くなったジュースの缶を両手で握りしめ俯き項垂れる子供を見下ろす内に此方の溜飲が下がるというもの。
叱られた子供よろしく肩を竦め時折上目遣いで様子を窺う様など珍しいの他ならない。膨れ上がり燃え盛る感情に任せ根掘り葉掘り聞きだしてみれば漸く事の真相の一端を掴めた。
如何やら特殊な記憶喪失に近しいものにこの子供は陥っている。ある特定の人物及びにそれに関わる全てを忘れ去っているようだ。実際この屋敷においても都合のいいように改変されているのが何よりの証拠。
「(外の世界から隔離されたこの屋敷を随分前向きな解釈で位置づけたものだ)」
ポケモンリーグ、いやイッシュ自体から離された身でありながらなんと愚かで可愛げのあることを言う。イッシュリーグのチャンピョンは既に貴女ではない者がいるというのになんと哀れで純粋なのか。
「(しかしながら私に関わる一切の記憶を失っていることは兎角都合が悪いことではありませんねえ)」
親しい者達の記憶や思い出、土地などを忘れず覚えている。そこから神が意地悪でもしているように一部の記憶がすっぽり抜け落ちている。
つまり、子供にとって目の前にいる老獪ははじめて会う人物。それが一体誰なのかどのような人物かも知らないまっさらな状態。
逃すにしてはこの機会は余りにも魅惑的で魅力的すぎる。
「トウコ」
小さな肩が跳ね上がる。怯えているのは見ても明らか。ならば可能な限り警戒心を解かなければなるまい。
「先程は大きな声を上げ追い詰めるような話し方をしてしまい申し訳ございません。ですが、それだけショックだったのです。心を取り乱し程に貴女が私を忘れてしまったことがショックで仕方なかった」
「どういう、こと、ですか?」
伊達に演説を行ってはいない。相手が初対面の者であれば話術で如何にでもなる。
「何故ならば私達は互いを愛し合う夫婦だからなのです」




「なんか嘘っぽい」
「(ウッ)」
さすがトウコ。記憶を無くせど持ち合わせている野生の勘で感じ取ったか。胡乱気な視線から思わず目を反らしそうになる。
「胡散臭い大人の話を信用するなってチェレン言ってたし」
「ですが!」
これ以上遠ざかれてなるものか。半ば勢いに任せ温くなった缶を持つ両手ごと掴み引き寄せた。物理的に両者の距離が縮まり、そのまま抱き寄せる。
「それでも私達が夫婦であることには変わりありません」
心なしか捕らえた小さな鼓動が速まった気がします。

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