ジャンル:遊戯王ARC-V お題:男同士の勇者 制限時間:1時間 読者:21 人 文字数:1380字 お気に入り:0人

新米勇者の呟き

※統合後の世界。遊矢とユーゴがゲームやりながらだべっている話。

久々に引っ張り出した据え置きゲーム機を中古ショップに売ってしまおうか遊矢が考え込んでいた所、ユーゴが目をキラキラさせ見つめてきた。
「え、やりたいの?」
「……これやっていいのか!なあ、やらせてくれよ遊矢!」
こういうゲーム機は普通はトップスの持ち物で、コモンズに渡ったら最後血が流れかねない事態になる、だから一生に一度は遊んでみたかった、とユーゴは鼻息荒く語る。
「結構古いやつだけど、それで良いなら」

こうして遊矢はユーゴに体の主導権を一旦渡し、昔大流行した有名なRPGのガイドをすることになった。

「ゲームの勇者って結構犯罪ギリギリというか、割とアウトなことやってるよな」
「そう言うもんなのか?例えばどんなことやってんだ」
「ユーゴ、そこのタンスの中探して。お金が見つかるから」
「おう」

ユーゴの操作する勇者は民家のタンスに近づき、無事にゲーム内通貨を獲得した。
「……今みたいに勝手に人の家に入って、色んな所を漁ったり、タンスの中のお金勝手に持っていったりすることとかさ」
「だけどさ、世界が滅亡するかも知れねーのにそんなみみっちいこと気にするかぁ?」
コモンズでは日常茶飯事だったしなぁ…とユーゴは続けた。
そう言われては遊矢も二の句が継げない。

ユーゴと自分は顔はそっくりだが生まれも育ちも全く違う。
自分は父の事があったりしたが、大きな災害も事件も巻き込まれず比較的平和で安全に過ごしてきた。
一方のユーゴは身寄りがなく、何が起こっても文句は言えない最下層のコモンズの住民の一人として育っている。
そのためかユーゴと話していると、彼の世界の見方や価値観の違いというものをなんとなく感じることが時々あった。

ユーゴは率直に言うと「生きるっていうのはそんなもんだ」とどこか冷めて世界を見ているように遊矢は感じていた。
普段おちゃらけているように見えるから、このギャップはシンクロ次元の住民特有のものでもあるのかな、とも思っている。

「遊矢、この次はどうすれば良いんだ?」
「ええっと、次は酒場に行って仲間を集めるんだ。勇者だけじゃこの先は進めないからね」
「えー、一人じゃダメなのかよ」
結構面倒くせーんだな…とユーゴは呟く。

「ユーゴだって一人じゃDホイール完成出来なかっただろ。確かリンと二人で作ったんだっけ?」
「ん~…確かにそうだな」
「それと同じ。じゃあ魔法使いとか戦士とか仲間にしてこよう」

仲間を探しに勇者は酒場に向かう。ユーゴは独りごちる。
「勇者はこの世界に一人しかいねーのか」
「物語の始めの方にそう説明あっただろ」
「どうせなら勇者千人くらい集めて魔王と戦わせりゃいいのに、数打ちゃ当たるって言うんだっけこう言うの」
「それだと別のゲームになっちゃうよ……」

「魔法使いならリンみたいのいねーかな……ちょっとうるさいときもあるけど、頭が良くって俺のことすごく助けてくれて、あと可愛い」
「攻撃魔法が使えるとか、貴重な回復魔法使えるとかじゃなくてそこかよ……そこまで求められると困るんだけど……」

しかし良くしゃべるなあ、リンはこんなユーゴのそばに居続けた貴重な人間なんだよな……と彼女への再評価をしつつ、彼の仲間の選別を手伝うことにした。

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