ジャンル:遊戯王ARC-V お題:絵描きの雑草 制限時間:1時間 読者:24 人 文字数:1656字 お気に入り:0人

榊家の男子の秘密・その2(現パロ)

※現パロ次元再び。「榊家の男子の秘密」の続編。

榊ユーゴは世にも稀な四つ子の次男として生まれ、ごく普通の中学二年生としての生活を送っていた。
彼には他の兄弟達に秘密にしていることがあった。
ネット上で「絵師」として活動し、時折イラスト&投稿サイトにイラストをアップしていることであった。
現在ハマり中の「氷結魔法少女・アイスベル」の二次創作をネットにアップし、そこそこの人気を得ていた。

「おっ、usersタグが早速ついてんじゃん!」
学校から帰ったユーゴは大急ぎで部屋にこもり、自分専用のノートパソコンでサイトを確認した。

「氷結魔法少女・アイスベル」は人気アニメということもあり、投稿されるイラストも同じ時期のアニメに比べてもかなり多い。
そんな群雄割拠のなか、何人がイラストをブックマークしたことを知らせる「usersタグ」はありがたい存在だった。

アップしたばかりの新作はかなり力をいれた、ユーゴとしても「傑作」といっても差し支えのないものだった。
なんせ最新話はアイスベルのライバルにして謎多き魔法少女「ブルーム・プリマ」との初共闘回だった。
見終わった後の燃えたぎる情熱をぶつける為、期末テスト勉強以来の徹夜で完成させた血と涙の結晶なのだ。
その日の授業中は爆睡、教師にカンカンに叱られクラスメイトには笑われるという代償を払う必要はあったが。

ひょっとしたら初ランクインするかも。その光景を想像しユーゴは顔をだらしなく緩ませた。
その時件のイラストにコメントが来たことを知らせる通知音が鳴る。
「コメントも来たな!どれどれ~?」

『ロイドさん(ユーゴのハンドルネーム)新作とっても良かったです!アイスベルはもちろん、ブルーム・プリマの凛々しい表情が最高にエンタメでした!毎回楽しみにしています』
それはユーゴの熱心なファンの一人「星のゴーグル」からの熱いコメントだった。

「もしかするとusersタグもコイツからか…?へへへ……やべぇ、嬉しすぎて軽く死ねる」
「星のゴーグル」はずいぶんブルーム・プリマを気に入っているらしく、彼のマイページに飛ぶと自分のイラストの他、他のユーザーのブルーム・プリマのイラストや漫画をありったけブックマークしていた。

「オレの推しはアイスベルだけど、もう少しブルーム・プリマの方も書いてみっか」
そうしたら構図はどうしようか、いっそ漫画にも挑戦してみるかと考えていたとき、部屋のドアを数回ノックする音が響いた。

見られたらまずい。ユーゴはさっとパソコンを閉じ、部屋にノックの主の末弟…遊矢を入れた。
「ユーゴ、今日貸した体操着返して」
「いけね、忘れてた……」
ユーゴは弟に借りっぱなしだった体操着を返す。もー、忘れ物が多いの直しなよ!とお説教をしっかりと頂きながら。

自分が絵描き、しかもアニメの二次創作のと知られたら他の兄弟達はどんな反応をするだろうか。
なんとなくだが、皆いい顔はしない気がするなぁ…とユーゴは気分が沈んだ。
しかしすぐに思い直す。自分を応援してくれるファンの為にも、また新しい作品を完成させないと。
ユーゴは再び机に向かった。

体操着を洗濯機に入れた後、遊矢はスマホであるサイトを確認する。
それはユーゴも、他の兄弟達も利用する例のイラスト&小説投稿サイトだった。
遊矢はマイページからフォロー欄に飛ぶ。そこに並ぶ名前は「night」「ロイド」「植物園」…兄達のハンドルネームであった。

遊矢には誰にも、同じ時間に生を受けた兄達にも言っていない秘密があった。
それは兄達が日々創作しているイラストや小説の大のファン、ハンドルネーム「星のゴーグル」の正体ということ。
「……ユーゴ、俺の推しのブルーム・プリマを描いてくれるかな?」
もちろんユーゴの最新作にusersタグをつけたのも遊矢である。

榊家には秘密がある。
同じ屋根の下、四つ子達がネット上の仮の名前である一つのサイトに集っているという頭が混乱する秘密だった。

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