ジャンル:ジョジョの奇妙な冒険 ストーン・オーシャン お題:最弱の小説合宿 制限時間:30分 読者:10 人 文字数:964字 お気に入り:0人

【プチ徐】人魚姫パロ2

微かなさざ波の音が段々とはっきり聞こえ始め意識が浮上する。目を開けようとした刹那、あまりにもの明るさに眩暈が起き目元を手のひらで多い庇を作った。軽く瞬きをくり返し鈍く重い体を起こせば如何やらどこかの浜辺に打ち上げられたらしい。近くに散乱する木材や荷物を見るに難破してそう遠くない場所なのだろう。高く澄み切った青空を仰げば海鳥たちの鳴き声が旋回している。
「助かったのか…?」
改めて周囲を見渡す。他に人影らしいものが無ければ亡骸も打ちあがっていない。たった一人助かった事実を受け止めようとしていた矢先、脳裏を過る不思議な光景に薄く瞼を閉じた。
あれは幻だったのか。幻にしては変にリアルなものだ、った。

「お。大丈夫そうじゃん」
淡々とした、それでいて安堵した声に体が跳ね上がる。咄嗟に声がした方へ振り返れば打ち寄せては引く波打ち際に脳裏を過っていた光景が影の持ち主が其処にいた。
それは薄絹のように揺れる尾びれを隠すことなく掲げ頬杖をつき寝そべっている。
「海に住まう私達ならともかく。あんな嵐の夜に海を渡ろうとするなんて人間ってのは海をなめすぎなんじゃあない」
「…人魚、か?」
「こんな格好で人魚じゃないっていうならお笑い草だね」
「いや、そうじゃない。そうじゃあないんだ」
人魚というものは滅多に人前に姿を現さない。何故ならば彼彼女らの血肉には不老不死の力が宿るとされ、人前に出たら最後二度と海に帰れない。だが、この人魚は隠れるどころかその優美な姿を眼前にさらけ出している。怯える素振りも見せず堂々と。どこか余裕さえ見える。
「なんとなくあんたが言いたい事は分かる。人魚は人間に怯え恐怖の対象としてみている。だが、それ以上に人間や陸の暮らしに興味津々ってわけ」
「……それはお前だけだろう」
「当たり」
心地よい海風のような笑顔で笑う人魚に哀れみを抱いた。当人は自身を無知だと思っていないだろう。目と鼻の先、手を伸ばせば届く距離はいとも容易くねじ伏せ海には帰れない危機を孕んでいるとも知らずに。話している相手が全員善人とは限らない。
「君が私を助けてくれたのか」
「そう」
「改めて礼を言う。君が助けてくれていなければ今頃海の底で眠ってしまっていただろう」
感謝の意を込め頭を下げる傍ら薄ら笑いが浮かぶのを必死に抑えた。

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