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夜の落下地点 ※未完

エリマイ


「が、ァっ……ゔ」

ぼたぼたぼた。首からとめどなく溢れる血は、先程与えられた傷が致命傷であることをこれでもかというほどに知らせている。だというのに。

「げほ、げほっ……ゔあ゛、なん、で」

血の混じった咳を繰り返し、首筋……動脈のあたりへ手をやる。ぬるぬるとした感触と傷口へ不用意に触れた痛みが走る。水分を吸ってひたひた肌にまとわりつく布の感触が気持ち悪い。とっくに致死量の血液が流れ出ていることは自明なのだ。なのに、視界は眩むこともなくしっかりと自分を襲った人狼を捉えていて、断続的な痛みが続いているとはいえど意識もはっきりしている。

「マイク……貴方が、呪われし者だったのですか」

混乱しているマイクをよそに、獣の造形を色濃く残した人影が無感動に言葉を落とす。

「のろ、われし……?」

自分でもそうとは知らずに爆弾を抱え続ける者。市民でありながら人狼へ転じる危険を持つ、無自覚な裏切り者。それが、自分であると。

「っいやだ」

人狼としての第一声は、それだった。

「嫌だ、絶対に言わない。俺は裏切り者なんかじゃない」

呪われし者が市民から人狼へと変貌を遂げた時、まず何を望まれるかを、全く想像できないほど愚かではない。市民たちの太陽。生命といっても差し支えないほどに大切なお方。闇に身を落とした人外たちは、誰がそうであるか知ることが出来ない。だから裏切り者を血眼で探す。

「ええ、貴方は裏切り者ではありません。元からこちら側の者だっただけ。諜報者とでも思えば良い」

「俺は市民だ。お前らと同じじゃない。女王様の御名は、絶対に言わない」

「……ハァ……」

あからさまなため息をつく人狼、エリックを殺意のこもった目で睨む。身を落とすくらいなら、魂だけは市民のままで、潔く死んでやる、と。

「頭に血を昇らせすぎです。いくら人狼になったとはいえ死にますよ」

「死んだっていいさ、俺は延命なんて望んで……っ!」

気付けば、手首を引かれ男の腕の中にいた。先程もそうだ、こんな夜更けに何の用かと、警戒心を露わにして一挙一動に目を配っていたのに、いつの間にか彼はマイクの頭を抑え晒された首筋に噛み付いたのだった。

「はな、せっ」

「暴れるな、煩わしい」

「っひ」

底冷えする声にぴしりと体が固まる。心臓がばくばくと早鐘を打つ。今すぐ腕を振りほどきたいのに、それ以上のわけのわからない恐怖が体を強く縛り付けていた。

「これだから子犬は嫌いなのですよ」

子犬、が自分を指していることは容易に察せられた。蛇に睨まれた蛙とはこの事か。馬鹿にするなと反論することもままならない。
しばらくすると、ふっと威圧感が和らぎ、拘束されていた体が解放される。応急処置なのであろう、首には先ほどまでエリックが身につけていたネクタイが巻かれていた。首輪のようだと一瞬考え、嫌な想像に顔をしかめる。

「紹介する同胞ももう居ません。今夜はそのまま眠りなさい。私の部屋はわかるでしょう?人狼の生き方が知りたいのなら、深夜においでなさい」

「誰が……っ」

言うだけ言って、その場を去るエリックへ、後ろから奇襲をかける気はどうにも起こらなかった。明日、敬愛する女王様の前で全てを吐露しよう。それで終わりだ。そう自分に言い聞かせ、一面真っ赤に染まった床を掃除しようと、マイクは雑巾を探し始めた。

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