ジャンル:人狼ジャッジメント お題:汚れたデマ 制限時間:1時間 読者:6 人 文字数:1405字 お気に入り:0人
[削除]

夜の落下地点 ※未完

エリマイ


「が、ァっ……ゔ」

ぼたぼたぼた。首からとめどなく溢れる血は、先程与えられた傷が致命傷であることをこれでもかというほどに知らせている。だというのに。

「げほ、げほっ……ゔあ゛、なん、で」

血の混じった咳を繰り返し、首筋……動脈のあたりへ手をやる。ぬるぬるとした感触と傷口へ不用意に触れた痛みが走る。水分を吸ってひたひた肌にまとわりつく布の感触が気持ち悪い。とっくに致死量の血液が流れ出ていることは自明なのだ。なのに、視界は眩むこともなくしっかりと自分を襲った人狼を捉えていて、断続的な痛みが続いているとはいえど意識もはっきりしている。

「マイク……貴方が、呪われし者だったのですか」

混乱しているマイクをよそに、獣の造形を色濃く残した人影が無感動に言葉を落とす。

「のろ、われし……?」

自分でもそうとは知らずに爆弾を抱え続ける者。市民でありながら人狼へ転じる危険を持つ、無自覚な裏切り者。それが、自分であると。

「っいやだ」

人狼としての第一声は、それだった。

「嫌だ、絶対に言わない。俺は裏切り者なんかじゃない」

呪われし者が市民から人狼へと変貌を遂げた時、まず何を望まれるかを、全く想像できないほど愚かではない。市民たちの太陽。生命といっても差し支えないほどに大切なお方。闇に身を落とした人外たちは、誰がそうであるか知ることが出来ない。だから裏切り者を血眼で探す。

「ええ、貴方は裏切り者ではありません。元からこちら側の者だっただけ。諜報者とでも思えば良い」

「俺は市民だ。お前らと同じじゃない。女王様の御名は、絶対に言わない」

「……ハァ……」

あからさまなため息をつく人狼、エリックを殺意のこもった目で睨む。身を落とすくらいなら、魂だけは市民のままで、潔く死んでやる、と。

「頭に血を昇らせすぎです。いくら人狼になったとはいえ死にますよ」

「死んだっていいさ、俺は延命なんて望んで……っ!」

気付けば、手首を引かれ男の腕の中にいた。先程もそうだ、こんな夜更けに何の用かと、警戒心を露わにして一挙一動に目を配っていたのに、いつの間にか彼はマイクの頭を抑え晒された首筋に噛み付いたのだった。

「はな、せっ」

「暴れるな、煩わしい」

「っひ」

底冷えする声にぴしりと体が固まる。心臓がばくばくと早鐘を打つ。今すぐ腕を振りほどきたいのに、それ以上のわけのわからない恐怖が体を強く縛り付けていた。

「これだから子犬は嫌いなのですよ」

子犬、が自分を指していることは容易に察せられた。蛇に睨まれた蛙とはこの事か。馬鹿にするなと反論することもままならない。
しばらくすると、ふっと威圧感が和らぎ、拘束されていた体が解放される。応急処置なのであろう、首には先ほどまでエリックが身につけていたネクタイが巻かれていた。首輪のようだと一瞬考え、嫌な想像に顔をしかめる。

「紹介する同胞ももう居ません。今夜はそのまま眠りなさい。私の部屋はわかるでしょう?人狼の生き方が知りたいのなら、深夜においでなさい」

「誰が……っ」

言うだけ言って、その場を去るエリックへ、後ろから奇襲をかける気はどうにも起こらなかった。明日、敬愛する女王様の前で全てを吐露しよう。それで終わりだ。そう自分に言い聞かせ、一面真っ赤に染まった床を掃除しようと、マイクは雑巾を探し始めた。

同じジャンルの似た条件の即興二次小説


ユーザーアイコン
作者:探さないでください ジャンル:人狼ジャッジメント お題:黒尽くめの仕事 制限時間:1時間 読者:29 人 文字数:1319字 お気に入り:0人
逆村ロデマイ夜の色に溶けこめる黒のコートと、血で目を眩ませない為の深緑のフード。それらはまだ、クローゼットの奥底に仕舞われたままだ。暗殺者というものは基本、誰か 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:探さないでください ジャンル:人狼ジャッジメント お題:来年の食事 制限時間:1時間 読者:31 人 文字数:1959字 お気に入り:0人
【ロデマイ】来年の話をするとオニが笑うという。オニ、とは極東の国にいるとされる悪魔の一種で、冥府に住んでいることもあるらしい。なぜ来年の話をすればそのオニが笑う 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:探さないでください ジャンル:人狼ジャッジメント お題:斬新な抜け毛 必須要素: 制限時間:1時間 読者:38 人 文字数:1282字 お気に入り:0人
「お前さあ」半分呆れ、半分怒り、といった風に言うつもりが、思ったより怒りの方を前面に出した声が出てきてしまう。 言われた本人は、けろりどころかケラケラ笑ってなあ 〈続きを読む〉

匿名さんの即興 二次小説


ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:スタンドマイヒーローズ お題:誰かと奈落 制限時間:30分 読者:0 人 文字数:1126字 お気に入り:0人
誰かと奈落に落ちるなら。そんな例え話を聞いたのは先日の外務省関連の飲み会だったろうか。奈落といえば仏教における地獄だ。地獄ということは大いなる罪悪を犯した者が、 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:グランブルーファンタジー お題:今度のお天気雨 必須要素:ゴルゴンゾーラ 制限時間:15分 読者:5 人 文字数:535字 お気に入り:0人
「あらー」上空から降ってきた雨を見もしないで、仲間と逸れた特異点は、地面と水滴が響かせる雨音を聞きながら、葉が零してしとどになった髪を後ろに流して、しまったなと 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:スタンドマイヒーローズ お題:帝王の誤解 制限時間:30分 読者:7 人 文字数:1192字 お気に入り:0人
「ほ~ん。それで?マトリちゃんは何をご所望なの?」ぐいっと近寄られると、端正な顔立ちと射抜くような瞳にがんじがらめにされているように動けなくなる。「えっと、です 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:名探偵コナン お題:12月の勝利 制限時間:15分 読者:14 人 文字数:784字 お気に入り:0人
昔ある脱出系バラエティ番組でこのような暗号を見たことがある。色のついたコードが何本かあり、暗号を解いて正解のコードを切れば外に出れるというものだった。『12月 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:名探偵コナン お題:地獄のにおい 制限時間:15分 読者:9 人 文字数:610字 お気に入り:0人
あなたはドリアンという果物を知っていますか。ドリアンとは30cmほどの周りがとげとげした薄い緑色の果物です。面白いことにドリアンを飛行機には持ち込むことができ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:名探偵コナン お題:美しい軽犯罪 制限時間:15分 読者:12 人 文字数:462字 お気に入り:0人
最近、学校帰りの道にある喫茶ポアロにイケメン店員がいると友達が耳元で騒いでうるさい。「ホントのホントにかっこいいの」と友達は鼻息を荒くして妄想モードに入る。まぁ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:ギャグマンガ日和 お題:安全な妻 制限時間:4時間 読者:8 人 文字数:1068字 お気に入り:0人
この時代に生まれた事、心底呪っている。子供を増やせ増やせと。徳川の貴重な跡継ぎがどうとかこうとかと。腹が立つ。何なんだ。何も知らぬ癖して。別に私は好きでこの立場 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:スタンドマイヒーローズ お題:愛と憎しみの螺旋 制限時間:30分 読者:10 人 文字数:1242字 お気に入り:0人
「私を内偵に行かせてください」関のデスクの前で、声を荒げた玲に捜査企画課の全員が振り返る。また無茶を、という視線。よくやるな、という視線。そういうものがあっても 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
flight ※未完
作者:匿名さん ジャンル:スタンドマイヒーローズ お題:かたい笑顔 制限時間:30分 読者:11 人 文字数:996字 お気に入り:0人
もう何度目かのデートがお預けになって、さらには出張のおまけ付きと言えば、さすがに書類をぶん投げたくもなる。文句の言い過ぎでミサキちゃんにも呆れられた。「出張、で 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:ワールドトリガー お題:恋の行動 制限時間:4時間 読者:11 人 文字数:286字 お気に入り:0人
恋、とは。今まで興味もなく、まさか自分がするとは思っていなかった。それは数日前。本当に、ちょっとしたきっかけだった。幼馴染の千佳に、恋をする日が来ようとは。でも 〈続きを読む〉