ジャンル:スタンドマイヒーローズ お題:愛と憎しみの螺旋 制限時間:30分 読者:42 人 文字数:1242字 お気に入り:0人
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憎しみと、愛と ※未完

「私を内偵に行かせてください」

関のデスクの前で、声を荒げた玲に捜査企画課の全員が振り返る。
また無茶を、という視線。よくやるな、という視線。
そういうものがあっても玲は気にする素振りも見せない。
彼女自身、その仕事が危険なことはわかっている。けれど。
何も知らず巻き込まれたのは少年少女たちだと思うと、怒りがふつふつと湧き上がるのだった。

「泉」

諭すように関が名前を呼ぶ。決意の炎の揺らぐ瞳を真っ直ぐに見つめる。

「君が言いたいことはわかっているつもりだ」

言葉の合間に、ふっと小さく息を吐きだす。

「だが今回は行かせる訳にはいかない」

そう言い切った関もまた、その瞳を決意の炎で輝かせている。圧倒的な眼力と圧の前に、さすがに玲がひるむ。

「でも」

そう言い募った彼女に、誰かが「もうよせ」と声をかけた。それでも玲は関から視線をそらすことなく見つめ続けている。
それがまた彼女の思いの強さの現れでもあった。

「いいか、泉」

デスクの上で関が指先を組んだ。

「俺たちの仕事は主に2種類ある」

わかるか、と答えを促す。玲が「薬物の根絶です」と即答する。

「そのとおり。ひとつは薬物の根絶を目指すこと。君が言うように、少しでも犯罪者を捕まえること。それは君もわかっているね?」

こくりと玲がうなずく。

「もうひとつは何だと思う?」

もうひとつ…と玲が考え込む。答えが出ないと判断して、関が言葉を続ける。

「薬物という危険なものに巻き込まれてしまった被害者のケアをすることだ」

はじかれたように玲が身を固くする。

「犯罪者を捕まえるのも大事なことだ。だが同じくらい、被害者のケアも大事なことじゃないか?」

関の視線はデスク上の書類に落とされている。その書類の添付された顔写真は、まだあどけなさが残る少年のものだった。

「泉は無関係な被害者が、しかも未成年が、巻き込まれたことに憤っているんだろう。だからこそ、彼らのケアに今回はまわってほしい」

君だから、できることだ。そう諭すようにまた玲を見つめた。

「憎しみに囚われて、愛を忘れないでくれ。一度憎しみに囚われれば、どこまでも憎しみしか生まない」

優しい彼女だからこそ、憎しみに駆られて動いてほしくはない。そしてその優しさでこそ癒やされる人たちも必ずいるのだ。
関自身も含め、ここの課員たちのように。

「愛と憎しみはいつだって紙一重の螺旋なんだ。君にはできれば…ああ、すまない。なんだか渡部みたいだな」

くすっと照れたように笑って今度は優しげな眼差しで玲を見上げる。

「泉、改めて言うが…今回は被害者のケアに回ってくれ」

はい、と玲が力強くうなずく。

「関さん、その…すみませんでした」

いや、君の気持ちはわかる、と呟く。

「俺たちだって、犯罪者を野放しにするつもりはない。だからそっちは…任せてくれるか?」

はい、と明るい声が響く。その声に、誰しもがほっとするのだった。

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