ジャンル:SSSS.GRIDMAN お題:殺された性格 制限時間:30分 読者:70 人 文字数:1661字 お気に入り:0人

何事にも譲れない存在

日が暮れ夕食時に怪獣が現れたお陰で店に集まるのが大分遅い時間帯になってしまった。閉店時間が差し迫っているにもかかわらず店内は明るく裕太達が戻ってくるまで全員待っていてくれていた。それだけで裕太の心が安らぎ表情も柔らかくなった。
そして、六花の母親が席を外しているのを確認してから裕太は怪獣と戦う前の出来事を皆に話した。裕太の話が終わるなり内海が要素があり過ぎると唸り、六花に限っては言葉では表せない気持ちを抱いているのか困惑を隠しきれていない。
今後の対策を考えようにも受け止めきれる情報量を大幅に超え処理しきれない今ではロクな考えも浮かんでこない。
このまま煮詰めたところで進展しない、今日のところは休もう。マックスの提案からその日は各自家路に着いたのだが、家に着き自室の電気を点けた裕太の視界にアカネの幻影がフラッシュバックした。神様なんだから当たり前でしょと言わんばかりに家に入り込んだだけではなく、枕を抱きしめ顔を埋めた上にベッドに寝っ転がるある種の暴挙に裕太の顔がカっと熱を帯びた。意図してやっているのか、無意識なのかとにかく目のやり場に困ったものだ。
例え意中の人でなくても多感な時期を過ごす男子にとって自分のベッドに自分と同じ年の女子が一時だとしてもその身を横たえていた事実は変わらない。気にしないよう言い聞かせベッドの中に潜り込んだところでアカネの残り香が鼻腔をくすぐり眠気ざされない。変に緊張するせいで目が冴えてしまい寝る場所を変えても解決しなかった。
とどのつまり、響裕太は一睡もできず朝を迎えた。
ただでさえ理解できない授業を朦朧とする頭で理解できるわけもなく、隣にいるアカネから見られている視線を感じるものの上手く行動を起こせずに終わった。気付けば放課後、覚束ない足取りで一人六花の店に辿り着いていた。
店に入るなり新世紀中学生の面々が裕太の姿をとらえ全員一様に顔から表情が消えた。
『大丈夫か裕太。とても辛そうに見える』
「うん、グリッドマン…、ちょっと昨日寝れてなくて」
ジャンクのディスプレイが付き映し出されたグリッドマンが力なく笑う裕太の身を案じ何もしてやれない無力さに顔を伏せた。
「裕太」
「はい、なんですかマックス、さん…?」
「寝れていないのなら少しだけでも寝た方がいい」
腰を下ろしていたソファから立ち上がり仮眠をするようマックスが促す。だが、寝ていいのかと裕太の胸に小さな罪悪感が湧きソファの前でたたらを踏んだ。
「でも、お店の」
「いいから寝とけっての」
すぐ隣で睨み上げるボラーの気迫に押された裕太は「じゃあ少しだけ…」とソファに横になった。すると、疲弊していた体は貪欲に睡眠をとろうと意識をまどろませる。程なくして穏やかな寝息を漏らす裕太にその場の空気が和らいだ。
「無理だと分かっていてもあまり無茶して欲しくないものだ」
ジャケットのボタンを外し寝ている裕太に掛けるマックスがため息まじり呟く。夢うつつ、もう頬を突いたところで起きる気配が無いのを確認したボラーは器用に彼の頭を上げ、ソファと頭の間に自身の膝を滑り込ませた。頭の位置が丁度いい高さになったからか身じろぎはするものの裕太の目は開かない。
「その負担を如何にかすんのが俺らだろ」
ったくよ。太々しく舌打ちするボラーは切ない顔で裕太の頭をあやすように撫で。寝返りを打ち仰向けから横向きになった裕太の寝顔をソファの前でしゃがみ込むキャリバーは何も話さず何も言わず、ただただ彼の穏やかな寝顔を慈しみの籠った視線で見続けた。
「本当に如何にかしないとね」
手に持ったスマートフォン越しに裕太を眺めるヴィットは苦笑を浮かべ、店内にある時計の針を仰ぎ見た。裕太が来てからこの空間の時間は止まっている。歪に止められた店内は不規則なノイズが走り音も息絶えていた。もし、ここに内海と六花がいたとしても二人だけの時間だけが停止するおかしな現象は裕太とグリッドマン、そして新世紀中学生には干渉せず不可解な時の流れとして処理され進む。

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