ジャンル:SSSS.GRIDMAN お題:純粋な正義 制限時間:30分 読者:18 人 文字数:1373字 お気に入り:0人

【キャリ裕】愛猫

記憶喪失になってから身に着いた習慣は常々侮れない。六花と内海と一緒に六花の母親が経営している喫茶店にとりとめない話をしながら店内に入った瞬間、裕太は何か違和感を感じた。それが一体何なのか。注意深く店内を見まわして漸く合点がいった。
「キャリバーさん今日来てないんですね」
「そうなの?」
裕太の言葉につられ内海も店内を見渡して彼の姿がないことに、ほんとだ、と声を漏らした。
「体調が悪いとかですか?」
スマホを弄っていたヴィットに六花が訊ねる。すると、スマホから片時も目を外さず気の抜けた声でどっちつかずの返事を返すばかり。
「特に来れないといった連絡は入っていないのだが」
「どっかで道草でもしてんじゃねえのか」
ソファに座り目を瞑り腕を組むマックスをカウンター席に座り頬杖を付き興味薄だったボラーの顔が悪戯っぽくニヤついた。
「あいつ猫飼ってんじゃん?もしかしたらどっか野良猫でも眺めてたりしてっかもよ」
「え。キャリバーさん猫飼ってるんですか。知らなかった」
「そっか君、一緒にご飯食べに来てなかったらこの話知らないんだっけ」
キャリバーが猫を飼っている話に驚きながらも六花がやや食いつくのは女子らしいといえば女子らしい。そこからヴィットが熱帯魚を飼っている話に変わり、他の二人も何か飼っていないか聞き始めた。
「野良猫かー。猫好きならありえそうだな。塀の上にいる猫眺めてて時間が経つの忘れてたり」
「いや、まさか」
茶化しながら話す内海に裕太が異を唱えるものの、塀の上にいる猫を眺めるキャリバー像を想像してもしかしたらと思い始めたその時。
裕太は再び何かを感じた。今度は違和感ではなく何かを察したが近しい。裕太の意識と視線をゆるやかに惹きつけ誘導した正体は彼の口から言霊となって呟かれた。

「猫だ」

青みがかった灰色の綺麗な毛並みをした猫が店の扉の前に佇んでいた。誰も裕太の声を聞いていないのか猫の存在に誰も気付いていない。
裕太の意識と視線が完全に注がれているのを感じ取ったのか猫は迷わず裕太のもとに歩み寄り始めた。優雅に軽快に歩く姿を目で追っていると「キャリバーおっせえぞ」ボラーの突っぱねた声がしたので視線を猫から扉の方へ戻した。
背を丸め両手をズボンのポケットに突っ込んだ馴染みの格好、あまり表情を表出さないキャリバーが店前に佇んでいた。が、正直彼の後ろにマックスが控えていない時点でこの後の起こる事態は容易に予想がつく。どうせいつものことだろう。マックスと裕太、六花を除く面々がこれから起きるであろうアクションを見守る体勢を取った。
しかし、キャリバーは腰に携えた四本の刀を引っかからないように体を捻って器用に店内に入店を果たしたのだった。
「キャリバーの刀が引っかからない、だと…!」
「嘘だろ…」
驚愕に満ちた顔で言い放つボラーとヴィット。特にヴィットに至っては持っていたスマホを落としてしまうほどの衝撃だったらしい。
動揺して眼鏡を何度もかけ直す内海に六花の冷めきった目が向けられる中、マックスは一言も喋らず裕太のもとへまっしぐらに近付くキャリバーを観察していた。
「キャリバーさん…?(何か近くない?)」
裕太の真後ろを陣取ったキャリバーは相変わらず無言を通し、身長差から来る彼より高い場所から裕太を見下ろし続けた。

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