ジャンル:DD! お題:つまらない馬鹿 制限時間:30分 読者:77 人 文字数:1346字 お気に入り:0人

10話の夜の小噺 ※未完

「……あの、デリックさん?」
「ああ、すまん。ぼーっとしてた。何だ? ミラ」
「ええっと、丁度いまお客さんもいないし。裏の方掃除してきても良いかなって……どうかした?」
「いやうんなんでもないんだ。大丈夫。裏の掃除な、了解了解。こっちは俺が見とくから、頼んだぜ」
「……? いってきます」
 ミラのポニーテールが奥へ引っ込むのを見遣って、盛大な溜め息を吐いた。長い髪が綺麗だとか、うなじが扇情的だとか、伏せた瞼を縁取る睫毛がつくる影すら美しいものに感じる。SEVEN-Oの女性陣も整った顔立ちではあるが、一癖も二癖もあるためにそういった感情を伴って眺めた事は無かったので新鮮なのかもしれない。
「ミラは本当に綺麗だよなぁ……」
 自分が出会った時も、人目から隠れるようにフードを被り俯いて歩いていた。あんなにも綺麗なのに、明るい場所ではなくこんなにも暗い路地裏に居るだなんて勿体ないと思ったものだ。掃き溜めに鶴とはこのことだろう。
 こんなしけたバーに居るくらいならうちの事務所に来いと誘っている芸能関係者も見掛けた。モデルや女優へのスカウトも、勧誘も。水商売への勧誘とナンパだけは自分が追い返したものの、おそらくひとりで歩いている時にはもっと沢山の声がかかっているのだろう。人目をはばかるように歩いていた理由はそこだろうが、かなしいものだ。
「美しく生まれてしまったが故の苦悩ってやつかねえ」
 そういえば、以前キリルがよくナンパに遭って困っていると話していた。大抵は男だと明かせば諦めるが、それでも食い下がる者も少なくないらしい。ダグと組むようになってからは、街中でのナンパの頻度が減ったもののまだまだ数は多いと言っていた。最終手段として警察手帳を見せると彼は笑ったが、ミラの場合はどうだろう。彼女は女性で、アルバイト店員の身分である彼女は警察手帳のようなものは持っていない。そもそも刑事ですらないのだ。人を傷付けた事など無いようなたおやかな手は、どうやってその身を守っているのか。彼女本人と話した事も、訊いてみた事もないが彼女の家出はそこが起因しているような気がしてならない。悪質なストーカーに狙われて、幼いキリルを守るために単身家を出て行き今の今まで隠れ住んでいたのではないだろうか。
「いや、それは考え過ぎか? でもなあ……」
 なにせ彼女は美しいのだ。テレビや雑誌で見る女優やモデルを凌駕する勢いで。彼女に懸想する男の一人や二人、居てもおかしくはない。現に、ここにもひとりいるのだから。
「デリックさん、ちょっと良いかな?」
「うん? なんだ、何かあったのか?」
「えっとね、実はキリルが」
 思考を中断し、ミラの話に耳を傾ける。どうやらキリルはデリックスペシャルのデリバリーサービスをご所望のようだ。彼があの料理を気に入ってくれた事は大いに結構だが、身内といえどこんなにも美しい女性をひとりで歩かせる事は感心しない。
「俺も行くよ」
「え、でもお店が……それに、私ひとりでも大丈夫だよ?」
「女の子がひとり歩きするような時間帯じゃないだろ。最近物騒だし。ま、荷物持ち兼ボディガードとして存分に使ってくれよ。お姫様?」
「ふふ、それじゃあよろしくお願いしますね。頼もしいナイトし

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