ジャンル:カルジュナ お題:神の夕飯 制限時間:15分 読者:67 人 文字数:1435字 お気に入り:0人

【服飾パロ】記憶逆転のルナ+信

「何故あやつに執着する」

信長は特盛の豚骨ラーメンを今まさにすすろうとしながらカルナに問いかけた。カルナはというと、こちらも特盛の、味噌バターラーメンの麺をすすれずに食べているところだった。

「お前は自分の欲しいものを我慢できるのか」
「ワシは欲しいものは手に入れてきた過去があるからのう。いや、それよりお主、とんだ騒ぎになっとるぞ」

信長はスマートフォンを取り出し、カルナの目の前に差し出してやる。そこにはカルナとアルジュナが中庭で鬼ごっこをしている場面が映っていた。

「逃げるあいつが悪い」
「ええー…さしもの魔王もドン引き。あいつ、一般人じゃろ」
「違う」

カルナは山盛りになったもやしをとっとと片付けながら追加トッピングで倍になったチャーシューの山を突き崩す。

「あれが一般人であるはずがない」

信長は音を立てて豪快に麺をすする。空気をまとって口の中に飛び込んでくる麺は、濃厚な旨味と共に舌を占拠し、奥から奥から唾液が溢れてくる。咀嚼した麺と旨味とを一気に飲み込み次の軍勢を箸でつまむ。
信長は、カルナと同じだ。サーヴァントとしての記憶を持ち、それでいて、この世では人間として生を受けた。サーヴァントであった織田信長は確かに世界を救う一端を担ったが、最終的にどこへ行きついたのか、それは分からないままだ。分かってしまうのも、それは面白みがないかもしれない、と信長は思う。
信長の周囲に居る人間たちも、それぞれ記憶を持っている。沖田、アンデルセン、ラーマ…それらはいたって「普通の人間」として生きてきたし、きっとこれからもそうなるだろう。何故なら自分たちは記憶があったとしても、それを武器にすることはない。できない。魔力もなければ使い魔もなく、むしろ大気に満ちている筈のマナさえ感じられない。まったくもって並の魔術師以下となってしまった自分たちは、ならばこの泡沫の如く夢心地を生きていこうと誓ったのだ。

だが、この目の前の元英雄はどうだ。
記憶がある。それはいい。だが、記憶を持たずして生きるアルジュナを見つけるや否や、近付いて行って「オレを思い出せ」とにじり寄り、そのままキスまでしてみせた。
確かに、カルナという英雄においてアルジュナという存在は切っても切れないものだ。だからといって、何世もわたってそこまで固執できるものだろうか。自分を覚えていないなら思い出させる、自分以外を一位にしているのであればそれを蹴落とす、自分を受け入れられないなら付きまとってでも。そのカルナの行動力に、信長がこっそりと舌をまいているのは、ここでは黙っておこう。

「一般人であることを、あ奴が望んだのやも」
「ならばそれごと切り捨てる」
「熱烈じゃのう」

まるでそれは恋か愛か。恋であるのならば、清姫に近いのだろうか。あれも愛憎ではあるが、始まりは愛だ。しかしカルナの方は先に敵意、すなわち憎がきている。ひとくくりにしてしまうには、あまりにベクトルが違いすぎる。

「ストーカー扱いされたら、教授共が押さえつけてくるじゃろうなぁ」
「既にそうと呼ばれている」
「マジか」
「まじだ」
「何がお主をそこまで掻き立てるのだ」

信長のシンプルな疑問を、カルナは少しばかりの微笑で答える。そんなものは、幾世、幾夜の星を越え、輪廻を越えたとしても、たった一つの事実でしかない。

「アルジュナだからだ」

胸やけしそうだの、と言った信長の声は、思ったよりも弾んでいた。

同じジャンルの似た条件の即興二次小説


見つかりませんでした。

梟光司の即興 二次小説


ユーザーアイコン
作者:梟光司 ジャンル:FGO お題:鈍い奈落 制限時間:15分 読者:43 人 文字数:793字 お気に入り:0人
あぁ痛いなちくしょう。なんだってほんと、オレなんかが世界を背負っちまったんだろうな。平凡が服着て歩いてるような現代日本の中流家庭の次男でさ、こんな血とか煙とか剣 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:梟光司 ジャンル:FGO お題:群馬の極刑 制限時間:15分 読者:63 人 文字数:810字 お気に入り:0人
拝啓、お元気でしょうか。この手紙を読む頃、貴方はどうしているでしょうか。この手紙を受け取ってしまったということは、つまり、私はもう生きてはいないということでしょ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:梟光司 ジャンル:カルジュナ お題:光の仕事 制限時間:15分 読者:59 人 文字数:1527字 お気に入り:0人
後に残されたカルナではあったが、はっと正気に戻った後に慌てて車に舞い戻り、あのタクシーを追え!と声を荒げたのだった。「もう見えないよぉ~ムリムリ~!」「アルジュ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:梟光司 ジャンル:カルジュナ お題:団地妻のオチ 制限時間:15分 読者:55 人 文字数:1370字 お気に入り:0人
さて、カルナは今日も今日とてアルジュナと共に登校する。アルジュナとカルナは文系理系クラスで正反対に位置しているとはいえ、同様の特別進学コースに在籍しており、なお 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:梟光司 ジャンル:ロビジュナ お題:素晴らしい外側 制限時間:15分 読者:54 人 文字数:1611字 お気に入り:0人
申し上げましょう、申し上げましょう。この僕の言葉で事足りるのであれば。えぇ、時間は大丈夫です。今はちょうど休憩時間ですから。刑事さんたちも、つい先日までこちらに 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:梟光司 ジャンル:カルジュナ お題:神の夕飯 制限時間:15分 読者:67 人 文字数:1435字 お気に入り:0人
「何故あやつに執着する」信長は特盛の豚骨ラーメンを今まさにすすろうとしながらカルナに問いかけた。カルナはというと、こちらも特盛の、味噌バターラーメンの麺をすすれ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:梟光司 ジャンル:ロビジュナ お題:殺されたガール 制限時間:15分 読者:89 人 文字数:1601字 お気に入り:0人
「付き合ってもらえませんか」俺の言葉に、アルジュナは目を丸くして、え、と一つの音を呟いた。俺とアルジュナは同じ大学で違う専攻を持つ学生だった。それが、バイト先が 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:梟光司 ジャンル:ロビジュナ お題:阿修羅極刑 制限時間:15分 読者:80 人 文字数:1426字 お気に入り:0人
申し上げます、申し上げます。私はひどいやつです。そうとはこれっぽっちも思ってなんかいませんが、私はひどいやつだと言っておきます。何故なら、きみがそう望むから。さ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:梟光司 ジャンル:ロビジュナ お題:見憶えのある解散 制限時間:15分 読者:74 人 文字数:1408字 お気に入り:0人
【或る依頼者の証言】申し上げます、申し上げます……っていうフレーズがあったじゃない?あれは告発をする人間の言葉だったけど。いや、うん、そういうものだと思って欲し 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:梟光司 ジャンル:ロビジュナ お題:空前絶後のボーイ 制限時間:15分 読者:84 人 文字数:1356字 お気に入り:0人
大学の掲示板に貼られていたのは、短期バイトのお知らせ。昼休みに一時間、指定された部屋できちんと機械が動いているかを監視するだけのお仕事。その時給の良さと、飲食し 〈続きを読む〉