ジャンル:遊戯王ARC-V お題:苦し紛れの天井 制限時間:1時間 読者:25 人 文字数:1496字 お気に入り:0人

誰にも内緒で、二人きりで

※エクシーズ次元の平和な話。ユト瑠璃。

ユートは今、人生で最大のピンチに陥っていた。瑠璃と二人きりで会っていたことが親友であり、彼女の兄の隼にバレてしまったからだ。

今日の放課後、瑠璃から今使用しているデッキの回し方の方向性やどんなカードを入れるべきか相談に乗って欲しい、メールを受け取った。親友の妹からの頼みと気を奮わせ、カードショップで瑠璃のデッキと相性の良さそうなカードを一緒に探した。そして今、小腹が空いたからと彼女の勧めで雑誌に載っていたらしいオープンカフェで名物のケーキセットの感想を言い合いながら食べていた。
ふと見つめあった後、「これって、デートみたいね」と瑠璃から恥ずかしげに言われたとたん緊張でオープンカフェで食べたチョコレートケーキの味も、一緒に頼んだコーヒーの香りも吹き飛ぶくらいの感情を彼が襲った。

異性…しかも自分が密かに特別な想いを抱いている少女と二人きりで密会しているというシチュエーション。自分と瑠璃は恋人同士とかまだそんな関係ではない。そう、今は「まだ」。でもひょっとしたら、彼女も……と思ったその時、後ろから声を掛けられた。
それは聞き間違えようがない、少しかすれた低めの…ユートの一番の親友の声だった。

隼の瑠璃に対する愛なのか支配欲なのか区別がつかないほどの感情の大きさ、そして妹に無作法に近づいた者が兄によって恐ろしい末路を迎えることになる……
そんな噂がスペード校で密かに流れているのは、そういうのに疎いユートでも知っているくらい有名だ。

「隼……これは、その」
どうすれば良い。ここで下手にごまかせば隼との友情にヒビが入り、最悪修復不可能になるかもしれない。
「別にデートしていた訳じゃない」などとふざけたことを抜かすのは、始めから選択肢にない。自分の先程までの楽しい気持ちに嘘をつくようで嫌だった。何よりも、そんな苦し紛れの言い訳で彼女の心を傷つけるかもしれないのはデュエリストしても、一人の人間としても失格だとユートは思った。

いつも間にか隼も空いていた椅子に座る。人が賑わう夕陽差すオープンカフェで、三人がいるその空間だけ重苦しい沈黙に包まれていた。
ユートはその苦しさにギリギリで耐えながら、冷や汗で制服のシャツがびっしょりになりそうなほどの緊張を味わった。

その沈黙を破ったのは、隼だった。
「そうか、瑠璃のデッキの相談に乗っていたのか。迷惑をかけたな、ユート」
隼はテーブルに置かれたカード…「LL-コバルト・スパロー」と自分が今日選んだ「ゴッドバードアタック」を見比べながらそう呟いた。
「俺に黙って二人でどこかに行っていたと密告が入ったから心配だったが……杞憂だったな」
自分の心を見透かしたようなそのものの言いに一瞬心臓が跳ね上がる。そしてm
「たまには兄さんだけじゃなくて、鳥獣族以外のデッキを使っている人からのアドバイスが欲しかったの」
瑠璃はにこやかに兄に話しかける。
確かに隼の言うとおり、最初は瑠璃のデッキの相談から始まったんだ。何をあれこれ考えていたんだろう。
いくら想い人の前だからといって、浮かれすぎたとユートは二人に気づかれないようにひっそり肩を落とした。
その時、デュエルディスクに一通のメールが入る。それは今目の前にいる彼女のからのものだった。

『今度は兄さんにバレないよう、もう少し遠出しましょう。次は映画なんてどう?』

次バレたら自分はどうすれば良いのか悩みつつ、その素晴らしい未来を予感させるメールをユートは繰り返し繰り返し、緩みそうになる頬を隠すようにうつむきながら読んでいた。

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