ジャンル:ロビジュナ お題:素晴らしい外側 制限時間:15分 読者:65 人 文字数:1611字 お気に入り:0人

【しゃざすま二次創作】天使の偽証3

申し上げましょう、申し上げましょう。この僕の言葉で事足りるのであれば。

えぇ、時間は大丈夫です。今はちょうど休憩時間ですから。
刑事さんたちも、つい先日までこちらに足しげく通っておりましたので。守秘義務、というものは、もう今や僕には存在しません。僕はあの病院を辞めましたから…いえ、彼らのことがきっかけではありません。ただ、少し、自分の生き方を見直すことにはなりました。

……彼の手足が、何故動かなくなったか、ですね。
まず最初に、彼の手足はまだ生きています。これははっきりと断言しておきましょう。血が通っている、と表現すれば良いのでしょうか。これは不思議な現象です。例えば脳梗塞や塞栓症であれば――えぇと、失礼。世間一般で、手足が動かなくなる、とはどういう状況でしょうか。そう、骨が折れたり、神経が切れてしまったり、血管が詰まってしまったりすることです。
彼の場合は、骨も異常がなく、血管が詰まっているような所見もなかった。そのどちらかであれば、腫れたり、膿んだり、腐ってしまったりしてしまいますから。しかし彼の手足はそうではない。神経が切れたかどうか、というのは、微妙な線ではあります。しかし、何よりも、僕たちは彼の症状は「原因不明」だと結論づけました。現代医学の敗北と捉えますか?いいえ、はっきり言ってくださって結構ですよ。
例えば、彼がもしも亡くなっていたら、話はもっと簡単です。肉を裂き、神経の一本ずつを取り出し、脳内を切り、その隅々までを確認することができるでしょう。腫瘍の一つ、寄生虫の一匹だって見逃しやしません。けれど、彼が「生きている」ということで、僕らには限界がくる。

ただ僕は…………いえ、お話ししましょう。これは懺悔ではなく、告発なのですから。

この病院に運び込まれた時、彼の手足はまったく動かないどころか意識も朦朧としていました。彼のパートナーが青褪めた顔で、彼の名をずっと呼んでいたことを覚えています。僕は、あの男にもあんな表情ができたのだ、ということに驚きました。顔には出しませんでしたが。
……えぇ、彼のパートナーは、学生時代に僕と犬猿の仲であった男でした。思い出すだけでも虫唾が走る。
さて、そんな私怨も、医者には必要ないことでした。僕は彼の動かない四肢にどんな理由があるのかと診断に乗り出しましたが、先ほど言いましたように、結論から言うと「原因不明」でした。医者全員、その理由を特定できなかったのです。
…………しかし、……えぇ、ここからが、僕の告発です。

いいですか、探偵さん。なぜ「原因不明」としたのか。それは、一つしか残らなかった可能性が限りなく「ありえない」理由だったからです。
彼の血液データを見ました。血液内のバランスがぐちゃぐちゃだったんです。人間の体内は、例え塩分糖分脂質等々の他、電解質というものがありますね。えぇ、酸性アルカリ性、といった、それぞれのバランスです。その、ナトリウム、カリウム、アンモニア、クレアチニン――とにかく、身体の中の成分が全て数値としておかしかったのです。
それが、四肢のコントロールをきかせず、脳内の指令をうまく伝達させられない要因だった、という可能性はあります。

えぇ、問題なのは「どうやって、その状態にしたか」なのです。
いいですか、人為的にこれを成そうとした場合、それこそ在り得ないのです。毎日の食生活の中の電解質一つ一つを微調整し、または過剰に摂取させるために食事の中の味付けや調味料を操作し、更にはそこにサプリメント面した薬液を投入するとして――それを、毎日、平然と彼の食事に混ぜて、決してばれないようにこなさない限り、あのようなことにはなりません。
僕は、僕たちは、否定しました。それはあまりに『非現実的すぎるから』です。そんなことを、本当に、いつかを信じて行えるものでしょうか?そんなもの、正気の沙汰ではない!!!

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