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愛、それは

資料をめくる手が止まった。
有線からは古い歌が流れている。一昔前の映画の主題歌だ。

愛は押し流す川であり、切り裂くレーザーであり、うずく飢え。けれど私は花と呼びたい……。

愛。
昨日、彼が初めて口にした言葉。
彼に愛を告げた時。
愛しています、と言った私に、彼はまるで別れを告げられたような顔をして、
──愛って、それは
そう言って、じっとこの目を見つめてきた。
私はその先の言葉を待った。けれど、それきり彼は何も言わなかった。

急ぎすぎたのかもしれない。
けれどどうしてもこれ以上待てなかった。

──直江

彼が呼ぶ声が耳に蘇る。

私は資料を読むのを再開した。
愛を定義することに意味はない。愛は川でありレーザーであり飢えであり花、愛はすべてだからだ。すべてを捧げるつもりで愛を告げた。

──直江

けれど彼には。
彼には、愛とは別れを意味するものだったのだろうか。

彼からすべてを奪う契約をするための資料を読みながら、ただ、彼が呼ぶ声だけが、耳から離れなかった。

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