ジャンル:遊戯王ARC-V お題:君と姉妹 制限時間:1時間 読者:25 人 文字数:1609字 お気に入り:0人

生き写し達の交流会

※統合しなかったIF。

同じ顔がこの世に二人、いつ見ても不思議な光景だ。
もっとも自分も例外ではないが、と俺は瑠璃とシンクロ次元からこっちに遊びに来た少女…リンを見比べながらそう思った。
二人はアカデミアにほぼ同時期に囚われていた頃に交流を深めたらしい。異様な状況下、同い年の少女は互いに励まし合い不安に押し潰されそうな心を支えてきたことは想像にかたくない。
しかし本当によく似ている。柚子を見た時からそう思ったが、これほどまでとは。当時錯乱していた隼が瑠璃と柚子を見間違えたが、無理はない話だ。
今、俺達は隼と瑠璃の家にいる。瑠璃が家に遊びに来て欲しい、とリンに勧めたそうだ。隼ははりきって夕食の買い出しに出掛けていった。念のための監視役の俺を二人がいるリビングに置いて。

先程から瑠璃とリンは楽しげに話しながら互いのデッキを見せ合いしている。リンが今日ここに来たのは「瑠璃とデュエルしたい」と言うことが目的とのこと。
美しい翼持つ鳥獣族「LL」と風と雪の魔法使い族「WW」、デッキのテーマ的にも相性の良い二人だ、と俺は自然と緩む頬を感じながらふと思う。
しとやかでありながら時折俺も隼も驚くほどの大胆さを見せる瑠璃、実際の年齢以上に大人びた考え方を持ち、幼馴染を長年支え続けたリン。
切っ掛けはどうであれ、今の彼女達は友人を越えた……本当の姉妹のように見えた。

「おいユート、なにリンのことじろじろ見てんだコラ……」
左横からドスを効かせた声が聞こえる。視線をずらすと俺を睨み付けるユーゴの姿。オレの左隣のイスに座るコイツは、幼馴染が単独でエクシーズ次元に行くのが不安と付いてきたらしい。気持ちはわからなくもない。
「特に他意はない。姉妹のように仲が良いなと思っていただけだ」
「お、それわかる!いやーいいよな……リン、今日瑠璃?に会うのをすげー楽しみにしてたんだよ」
――オレに気づかれないよう冷静なフリしてたけどな!
そうユーゴはコロッと表情を変えニコニコと笑いながら俺に話しかける。
表情が変わりやすいヤツだ、まるで秋の空のように……と彼を見ながら思う。
感情がすぐ表情に出るのは少しうらやましい。俺は表情を変えるのがなかなか苦手な性質で、隼や瑠璃と関わるようになってからやっと表情筋が少しばかり柔軟になってきたから。

「今のお前みたいにニヤニヤしながらリン達を見るのもいいけどさぁ、オレ達もデュエルしねぇか?」
「そのデュエルの誘い、受けよう。ただし、あのDホイールとやらに乗らないなら、だ」
「あ?なんでダメなんだよ」
……本気でわかっていない様子だ。ここはハッキリと言っておいた方が良いな。今後のために。
そう思い、オレはユーゴの方に向き直る。
「俺はスタンディング、一方の君はあの乗り物の形をしたデュエルディスクに乗りながらのデュエル。そんな状態でデュエルしたらどうなる?」
「あー……お互いの得意なデュエルスタイルで出来るな!」
「……冷静に考えろ、最悪俺が轢かれる」
「轢かねーよ!オレのテクニック舐めんな」
「バカか、君との最初のデュエルの時もいつ吹き飛ばされるか内心ヒヤヒヤしていたんだぞ!」
「あぁ!?バカとはなんだバカとは!テメェ表出ろ!」

「あの二人仲良いわねぇ、リン。ユートがあんなに他の人と楽しそうにしているなんてすごく珍しいのよ」
「ごめんなさいね、瑠璃……ウチのバカが迷惑掛けちゃって」
「ううん、迷惑なんてないわよ。ユートとユーゴ君、本当の双子の兄弟みたいね。見ていて微笑ましいわ」
瑠璃はにこやかな表情のまま、近くで繰り広げられている兄弟喧嘩のような二人の言い争いを見つめた。
そんな瑠璃と向こうにいる幼馴染を見比べながら、リンは一つ大きなため息をついた。

転がるように庭先に出たユートとユーゴがデュエルを始め、買い出しから帰ってきた隼に絞られるのは少し先の話。

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