ジャンル:DD! お題:でかい任務 制限時間:30分 読者:92 人 文字数:1192字 お気に入り:0人

ダグキリ ※未完

 普段は地道な捜査が多いこの特殊部署も、たまには大きい案件もある。例えばそれが以前あったような市長候補の人質誘拐事件だったり、エスペランサのアジト襲撃だったり、軍の長官に攫われた仲間の救出だったり。頻度は多くないものの、ゼロではないのだ。
 そんな大きいヤマで、最初に負傷した相棒が傷の手当を行うため前線を離脱していたタイミングだった。銃撃戦で掻き消されそうな程の小さな物音を捉えた。運が良いのか悪いのか、その場には自分しかおらず、けれど残党か人質もしくは巻き込まれた民間人が居るのなら即座に対応が必要だと判断しドアを開けたのだ。外の風と太陽光が部屋に入り込んだ瞬間に溢れた、噎せ返るような血と火薬のにおいは多分忘れる事もできない。
「んだよ、これ……おい! 救急車3台! 至急応援寄越せ!」
 絶句する自分の後ろから、ディーナの声が響く。動かなければならないのに、その光景はいつかの相棒を思い起こさせるのだ。
「中央に大人1名、子供2名。多分親子だ。全身に複数の銃創あり。脈拍、反応なし。体温も低いな。どれが誰のか分かんねえが、この出血量だ。全員死んでる可能性が高い。判断はそっちでしてくれ。誘導任せたぜ、ソフィー」
 こういう時、ディーナは状況判断と動きが早い。まだ犯人が暴れている状況下で、戦闘要員である自分達が抜ければ不利になる。だからこそ、助かる見込みのないものは他へ引き継ぎ自分は前線に戻る。それはどこまでも正しいのだ。
「オイ、ダグ」
「ん、ああ……分かってる。戻るよ」
「腑抜けたテメエが来ても足手纏いなんだよ。カリアゲ呼んで来い」
「分かった」
 被害者のもので赤く濡れたネイルを眼前に突き付けてから、ディーナは銃を抱えて走り去った。キリルを呼ぶにしても、彼もまた負傷している。軽く手当てすれば問題無いと彼は笑ったが、前線に戻れるものだろうか。いやこれは、自分がこれ以上彼を危険に晒したくないだけのエゴだ。頭を軽く振り、救護車から出てきた彼の元へ走った。
「ダグ?」
「動けるか?」
「ああ、問題ねえよ。それより、状況は?」
「いまディーナが残りを追ってる。ユリとマックスは裏から回ってるな。ケイは怪我人の救助に行った」
「そっか。で?」
「なに」
「ダグはどうしたんだ」
「……何が」
「何だろうな。泣きそうな顔してるから」
 小首を傾げる彼の髪がさらりと揺れ、隙間から白いガーゼが覗く。肌もコートも白いが、それとはまた別種の色だ。よく動くその口元のさらに下、首元へ手袋を外した指先を伸ばして触れた。
「……生きてるな」
「生きてるよ」
「うん。行こうか」
「は? え、いや、なに……?」
 手袋を元通りにはめ、先を急ぐ。後ろからキリルの声が響くなか、銃を抱えたディーナとケイが戻って来た。
「おっせえよ」
「状況は?」
「全員逮捕。もうやる事ねえから帰っていいら

同じジャンルの似た条件の即興二次小説


見つかりませんでした。

ろと@お原稿中の即興 二次小説


ユーザーアイコン
作者:ろと@お原稿中 ジャンル: お題:苦しみの男 制限時間:30分 読者:17 人 文字数:1469字 お気に入り:0人
「あ、この曲……」「切ないわよねぇ、誰だって好きな人の運命の人になりたいのに。それをこんなに綺麗に歌われちゃうとさ。傷心の時なんかは特に沁みるのよー……って、あ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:ろと@お原稿中 ジャンル: お題:走るしきたり 制限時間:30分 読者:22 人 文字数:1279字 お気に入り:0人
日曜昼、吾妻橋をのんびりと歩いている最中の事だった。「走って!」「は?」 どこか懐かしいロングヘア―の一稀が、ハイヒールのまま走って来たと思ったらこちらの右手 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
霊律 ※未完
作者:ろと@お原稿中 ジャンル:mp100 お題:くだらないサイト 制限時間:30分 読者:20 人 文字数:1685字 お気に入り:0人
学校帰りの通学路で見知った詐欺師と遭遇したのも、それが7月2日の午後5時だったのも、ただの偶然でしかなかった。今日は従業員がみんな休みだとか、幸いにも依頼が来 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:ろと@お原稿中 ジャンル: お題:当たり前の誰か 制限時間:30分 読者:21 人 文字数:1477字 お気に入り:0人
当たり前の日常なんてもの、実は存在しないんだってことを知ったのは中学生の時だった。今度こそ大切にしたいと思った繋がりを失いかけたり、それでも手を伸ばしたり。結 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:ろと@お原稿中 ジャンル: お題:オレだよオレ、美術館 制限時間:30分 読者:47 人 文字数:897字 お気に入り:0人
例えば知らない間に見知った店が閉店していたり、別の店に変わっていたり。建物ごと消えたり増えたり。それによって道路や街の景色さえ変わっていたり。時間が経つという 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:ろと@お原稿中 ジャンル: お題:暴かれた祝福 制限時間:30分 読者:26 人 文字数:1194字 お気に入り:0人
良くも悪くも無関心であることは、幸福なのか不幸なのか。良かったのか悪かったのか。今となっては分からないけれど。それでも、この想いが漏洩したその後でも友人でいら 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:ろと@お原稿中 ジャンル: お題:ぐちゃぐちゃのコンサルタント 制限時間:30分 読者:41 人 文字数:1160字 お気に入り:0人
隣でスマートフォンの画面を無表情に眺め時折画面をタップするその指先を、見るともなしに眺める。先程までの笑顔が嘘のように、凪いだ瞳はまるで無機物のようだ。「久慈 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:ろと@お原稿中 ジャンル:DD! お題:今日のゲストはクリスマス 制限時間:30分 読者:45 人 文字数:1149字 お気に入り:0人
『それでは! ここで一曲挟んでからお待ちかねのゲストが登場です! なんと、今日のゲストは……クリスマスといえば、この人なあのお方が登場です! お楽しみにぃ! で 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:ろと@お原稿中 ジャンル:DD! お題:混沌の町 制限時間:30分 読者:54 人 文字数:873字 お気に入り:0人
窓から見えるふたつの太陽が沈んでいき、夕日の赤色に夜の色が混じり始める時間帯。インクを幾つも混ぜ込んだような複雑な色合いの空が、存外に好きだった。「お客さん、 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:ろと@お原稿中 ジャンル:DD! お題:ワイルドなフォロワー 制限時間:30分 読者:60 人 文字数:1193字 お気に入り:0人
「取材、ですか?」「ええ、『街中で見付けた絶世の美女!』って特集なんですけどね。噂の美人店員を密着取材させて頂きたくって。いかがです? 全国放送なんで、良い宣伝 〈続きを読む〉