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雪降らし ※未完


「おねがい!たすけて!ゆきうさぎがしんじゃうの!」

 現世での集会の帰りに、御手杵と審神者はそうねだられた。5歳くらいの男の子の中には、一匹の雪うさぎがいた。もちろん、ただの雪うさぎである。御手杵のように付喪神であるとか、何かが宿っているとか、そんなものはない。しかし少年は大きな目にいっぱい涙をためて、一生懸命に御手杵と審神者にそれを差し出した。

「さわるととけちゃうの!どうしよう!」

 いや、まあ、雪ですしねえ。などと返すこともできず、審神者は茶色と白がマーブル状に混ざり合っている公園の敷地を眺めた。雪が少ないので、土と混ざっている。あれで真っ白い雪うさぎを補強することもしたくないのだろうと審神者はにらんだ。

「おばあちゃんが作ってくれたの…病院で…」
「ふーむ…」

 それを広いところで遊ばせてやりたくてわざわざ持ってきたのだという。なるほど。しかし審神者である自分にはなにもできないな。雪を降らすこととかができればなあ、とぼやくと、

「ちょっと来てみ」

 御手杵が子どもに呼びかけた。御手杵は自身の槍を両手で支えるように水平にもち、跪いていた。そして子どもに同じところを持つように促した。おいおい、現世で急に目くらましの術解くなよ、とか言いたいのをこらえて審神者はその様子を見ていた。

「いいか?今から俺が言うのを繰り返してな」
「うん」

 御手杵は難しい言葉を何度か繰り返し、子どももたどたどしいながらもそれを繰り返す。それを三度ほど行ったところで、やがてはらはらと空から白い粒が降りてきた。





「かっこいーじゃん」

 目を細めてにぃっと笑った審神者に、御手杵はそうかな、と肩をすくめて頬を緩めた。 

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