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「見ろ、息が白い」
「そんなものお前にとっては初めてではないだろう」

わかりやすく嬉しそうにしているので、そんな言葉を返すと、きょとんとした顔で奴は言う。目をきらきらさせて、男は白い息を包むように両手をあげて感動しているように見える。

「何を言っているんだ。お前と見るのは初めてだろう」
「俺が初めてだからな」
「俺の方が来るのが早かったから不貞腐れてるのか?」

くすくす笑う奴の息は白い。
返答する俺の息も白い。言葉を発する前の呼吸も白くなって現れる。普段これだけ息をしているのだと目に見えて実感した。それが少しだけ目の前の男との間に霞をかけた。そこに空間があるとでも言いたげに。

「お前は声が大きいだけあって白い範囲も大きいなぁ」
「ふん!当たり前だ!どこかのウグイスとは違って声量もある。もちろん美しくもあるがな!!」
「やはり声が大きい……」

うるさいぞと鶯丸が自らの唇の前に人差し指をたてる。なんだ?と問おうとすると今度はそれを俺の唇にあてた。

「しー。主が起きてしまう。それに……」

呼応するようにホーホケキョとウグイスが鳴いた。

「さすがにウグイスの名を冠するだけはあるな」
「驚いた。まさかお前が俺を褒めるとはな」
「当たり前だ。素晴らしいものは素晴らしい。狭量な男ではない。それにお前は同じ古備前だろう。」
「天下五剣は?」
「くっ……見出されるのが遅かったせいで」
「はは!」
「笑うな鶯丸!!」
「そろそろ主も起きる。茶ぁにしよう」
「鶯丸。いい加減その発音はなんとかならないのか」







梅ゆき


「大包平さんは知らないんだ。鶯丸さんがこんなに笑う刀ではなかったことを」


『熱』

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