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唇を尖らせた。


「じゃあね、ユウキさん」
「気をつけろよ」

 少女は駅で人ごみに消える青年に手を振った。少女の手には先ほどユウキに奢ってもらったコロッケがある。それを嬉しそうに頬張りながら、少女はそういえば、と思って去っていく青年の背中に声をかけた。

「ねえー!だから何の仕事してるのー!?」

 ユウキは振り返った。そして視線を空中にさまよわせ、しばらく考えた後に

「いずれ分かるー!」

とだけ返して走り去っていった。わかるものか。これから会えるかどうかも分からないのに。少女は唇をとがらせてそれを見送った。




「ただいまー」
「おかえりなさい御手杵」
「お!主!みやげがあるぞ…ほいこれ」
「あら!コロッケじゃない!」

 それを嬉しそうに頬張る審神者を見て、御手杵はなるほどなあと零した。その納得したような呟きに審神者が目をぱちぱちと瞬かせる。そのぱちくりした黒目が大きいことや、まつ毛が長いこと。なにかを探ろうとするとき、そうやって少し上目遣いになること。刻まれたしわや化粧で隠し切れないシミの向こうに、あの時の少女の面影がくっきりと浮かんで見える。

「あんた、昔からそれ好きだったんだなあ」

 御手杵がそんなことをしみじみとした目で言うものだから、審神者は居心地が悪くなって。

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