ジャンル:黒子のバスケ お題:日本式の空 制限時間:1時間 読者:12 人 文字数:1607字 お気に入り:0人
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拝啓 日本より ※未完

笠森

あいつ、今は海外だっけ。
西に沈む夕日を見て、ふと思い出した。

始まったキャンパスライフは、一通り満喫した。もちろん学業の傍らで、色んなサークルに顔を出してみたり、キレイ目ファッションやらを(黄瀬が押し付けてきた雑誌で)勉強したり。

1番変わったのは環境だろう。大学に進んでから始めた一人暮らしは思いの外大変で楽しくて、今日も近所のスーパーで特売品を買ってきたところだ。料理ができる男はモテるという噂を高校時代に聞きつけたおかげで、俺はそれなりに自炊ができる。というのに家に集まる野郎共へ振る舞うだけで、肝心の女の子には見せたことがない。

「あーもー!料理ができる男はモテる!っていうから高校入る前から特訓してたっつうのに、女の子に見せる場がないからモテようがないじゃないか!」
「うるせー」
「なんだと笠松!お前、俺の飯パクパク食っといてそのあしらい方はないんじゃないの!?言ってみろよ!俺の何が悪いのか!」
「めんどい」
「ハア!?」

味噌汁をすすりながら話半分に聞くコイツは笠松だ。バスケの強い大学に行くため進路は別になったけど、近い距離だからなんかしらで会う。県外の大学に進んだ小堀は、今度の長期休みに帰ってくると連絡があった。

「……大体、合宿でもない限り女子に料理の腕を見せる場所はねえだろ。いきなり家に来いっつったら下心あるようにしか見えねえしな」
「そんな…!ただ俺は、俺の料理を食べてもらって『森山くん!これ美味しい!』って言ってもらえたら満足なだけなのに…」
「森山くん、これ美味しい」
「ふざけんな!野郎からの言葉なんていらん!」

この時、笠松はバスケの海外遠征が間近だったので、その応援会と称して俺の家に集まっていた。酒をたくさん買い込んだアイツが家に来て、俺は料理を仕込んだ。前にちょっとだけ凝ったつまみを作ってみたものの、アイツがばかすか食うから腹たって今回はやめた。出来合いもかなり用意して、酒盛りは始まった。

「長期遠征ってどれくらい行くの」
「とりあえず1年。夏とか冬とかは休みに合わせて何日か帰ってくる」
「ふうん。あ、このピザうまい。…じゃあ、夏に集まってメシとかは行けるのかあ」
「ん。まあな。一週間とか休み取れるっぽいからそれぐらいなら。小堀とも会いてえし」
「ホームシックに気をつけないとな笠松」
「うるせえ馬鹿野郎」

二人だけの酒盛りはどんどん盛り上がって、バカなことも話し合って、くだらない冗談も言い合って、散々酒を飲んで顔を真っ赤にした俺たちはキスをした。

唇と唇が軽く触れあうキスだった。

あの夜はそれだけだった。アイツも何も言わないし、俺も何も言わない。口を開いたら自分の中から何かが飛び出してきそうで、予想ができなくて、なんだか怖くて、アイツ何考えてんだよとか、俺何してんだよとか、そんなことを考えているようで、頭がふわふわしてっから考えてもないみたいで、とにかく酔った勢いということにしてお互い別れた。というより、笠松はいつも通りの声のトーンで「じゃあな」と言って玄関を出た。「また来いよ」が何故か言えなくて、俺は「バイバイ」って言った。3日後、笠松は日本を発った。

あの日からなんとなく来ていた笠松のメッセージはない。俺も送ることはない。からの肉じゃがのさらも唇の感触は忘れられなくて、笠松がいない日本に俺はまだ慣れてない。…アイツ行ってから3ヶ月くらいしか経ってないけど。

「日本にいる俺の方がホームシックになるってどういう事よ…」

馬鹿みたいな独り言に俺ははっとした。俺、寂しかったの。アイツいなくて。え、マジか。それってヤバくないか。笑うしかなくて、笑えなくて、でも。

「送ったろ」

今の夕日が綺麗なことは、アイツに写メって送ってやってもいいかも。そんで、聞いてみるんだ。「お前、今度いつ会えんの」って。


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