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揺りかご(鯉月)



鯉登は海が苦手だ。認めたくない辛い記憶が呼び起こされるからだ。
なるべく海に近寄らないように生きてきたが、それでもこの度、敬愛する鶴見中尉からの命令で樺太へ渡るため、貨物船に乗り込むことになった。鶴見は鯉登が海を苦手なこともその理由も知っている。これは、試練を乗り越えよと言う鶴見からのメッセージだと分かった。

どこにいても絶えず揺れる船上の生活は、しかし地獄のようだった。船の後ろ側の方が揺れないだとか、なるべく風に当たる方が良いだとか、あれこれ情報を仕入れていたがどれも似たり寄ったりの眉唾話で、気休めにもならなかった。

ようやく樺太へ到着の目処が立った頃、鯉登の心の余裕はすっかりなくなっていた。一日も早く地上に立ちたい、それだけだ。
「お辛そうですね」
「……うるさい」
見かねたのか声をかけてきた補佐官にも辛く当たってしまう始末だ。そうしたいわけではないのにと、自己嫌悪が募った。
「水と、干した果実をいただいてきました。少しでも栄養をお取りなさい」
しかし補佐官は鯉登の八つ当たりを気にする風もなく淡々としていた。慣れた手つきで横になっていた鯉登の身体を抱え起こし、口元に水の入った湯飲みを寄せる。
「貴方はよく堪えていらっしゃる。ご立派ですよ」
「……うん」
慰めるのが上手な男だな、と鯉登は心の中で補佐官のことを評価した。髪をすかれながら目を閉じると、彼の心音が耳を擽る。
揺れも波音もすっかり遠のいていた。

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