ジャンル:刀剣乱舞 お題:強い踊り 必須要素:佐々木 制限時間:15分 読者:37 人 文字数:1028字 お気に入り:0人
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踊る ※未完

 とんとんかたんとんとんかたん。目を閉じれば聞こえてくるそれは、鍛冶場の音だという。ある短刀は、人間の心臓の鼓動の音のようですね、と言った。産まれた時のその記憶が鉄の地肌に焼き付いているのだ、とまた槍は言った。幼子がふいに胎内での記憶を口にするように。人間に例えられるとどうもまだ分からない。受肉して日が浅いからか、おのが手を見ても言い知れぬ気持ちがざらりと臓腑を撫でていくのだった。
 ──三日月宗近。天下五剣の優美な太刀は、随分遅ればせながら顕現した。ほかの刀は軒並み成長し切っていて、とくに獅子王、燭台切、同田貫などの古参はもう強くなる余地などないと楽隠居のような暮らしぶりを強いられているらしかった。
 とくに同田貫の荒れようはひどい。元来が戦好きというか、道具としての役目を全うしたがる刀である。振られぬ刀になんの意味があろうと審神者に食い下がっては近侍にすげなくされるの繰り返しだ。これではうるさくてたまらない、役目を与えれば渋々でもしずかにはなろう、と三日月宗近の教育係に任命されたのがつい先日の話。
 そうして今日は、同田貫随伴での三日月宗近初陣の日であった。

 とんとんかたん。とんとんかたん。
 無意識のうちに口ずさんでいたらしい。同田貫はそれを聞きとがめると、「なんなんだよ」と問うた。三日月はゆったり答える。
 「鍛冶場の音らしい。作られた時の音を覚えているのだと。たぬきは覚えておらんのか」
 「たぬきじゃなくて同田貫だ。それに、そんなもんハナっから覚えちゃいねえさ」

 ふうん。

 という、三日月の返事は口に出されなかった。同田貫が誰よりも──斥候よりも早く、敵に反応し、その場からふっと消えたからだ。

 まさに電光石火、快刀乱麻、一刀両断。
 同田貫はそのよく練り上げられた体をぐっと縮めた──途端重さを感じさせないほど軽々飛び上がって、忍び寄る敵短刀の頭をかっさばいたのであった。

 三日月宗近は一部始終を見ていた。
 戦闘と言うよりかは舞踊であった。なんと力強い踊りだろう。粗野で、乱暴で、──惚れ惚れするほど美しい。

 強い刀なのだ、これは。

 三日月は知らずのうちに口角を上げていた。鉄と火から生まれたものの運命で、強いものを見るとどうしようもなく魅了されてしまうのだった。

 いつのまにか──あれほどうるさかった鍛冶場の音が消えた。代わりにどくどくとなる血の潮流を耳の裏すぐに聞いて、三日月はようわっ

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