ジャンル:にじさんじ お題:軽い転職 制限時間:1時間 読者:26 人 文字数:2173字 お気に入り:0人

ドキドキ☆職業体験

「ややーーー! もう仕事ややああああああ!!!」
「ドーラぁ! パッパが! パッパがまた発作起こしてるよ!」
「何してるのホント毎度毎度さぁ……」
 新しい朝を迎え、出勤の時間になったドーラ家に、成人男性の声とは到底思えない鳴き声が響いていた。
 社築がクッションに顔を埋め、五体投地で泣き叫んでるまわりを本間ひまわりは慌てふためいて走り回っている。何事だ! と飛び起きた夜行性の葛葉はこの惨劇を見るや、片手で顔を覆った。
「くそっ、父さんの仕事アレルギーか……! 残業時間が月150時間を超えたせいでますます幼児退行に磨きがかかってるっ!」
「じゃから労基行けって」
 ドーラの冷静なツッコミを遮るように「ややっ、ややあああああ!」と社は吼えた。ブラック会社に長く勤務したあまり、労働基準監督署で今までの労働に『違法』というレッテルを張られるのが最高に怖いらしい。
 現実逃避というか、なんというか――

「よし! じゃあパパが元気になるような言葉をみんなで言ってみよう!」
「例えば?」
「オレからいこう……来週、MTGの新パック発売」
「やや……! や、や……!?」
「おぉなるほど、それじゃったらわしも。んーっと、雨森小夜ちゃんの放送が今日の予定表に入ってたよ」
「あ、あぁ……!」
「ハッカドール卒業」
「ややあああああああ!」
「おい姉ちゃんやる気あんのか!」

 タブー中のタブーワードを発したひまわりは悪びれもせず、「いやー、今なら乗り越えられるかなって思って」と笑っていた。
 鬼畜か。

「近くのゲーセンにある弐寺、新品交換今日らしいよ」
「お昼のお弁当はあなたの好きなものばかり入れといたわよ?」
「ちくわ大明神」
「誰だ今の」

と、紆余曲折ありながら社を正気に戻すことに成功した。
「すまないみんな……迷惑をかけた」
「いいってことよ! 父さんが働いてくれないとオレも引きこもり出来ねぇし」
「パパほどじゃないけど、仕事の辛さはひまも、ちょっとだけわかるからさ。今日も一緒にがんばろ?」

 家族全体で励まし合いながら、今日も今日とて一日をスタートするド葛本社一行。
 しかしドーラだけは、顔が晴れないままだった。
「ねぇ、社。やっぱり勤務先についてもう少し考えるべきだと思うの。すぐ退職しろとまではいわないけど、休みの日に転職先を探したりしてさ、周りの会社にも目を向けて見ない……?」
「う、む……」


「それで、わが社に?」
「あぁ、うん。加賀美さんのところなら、働きやすいかなと思って」
 ドーラの言葉に納得した社は、後日転職先として加賀美インダストリアルに訪れていた。転職することが確定ではないことをやんわりと伝えると、ちょうど手が空いていたのか代表取締役である加賀美ハヤト自らが会社案内を買って出た。
「それなら大歓迎です。もし社さんが勤めてくださるのなら、それはそれは明るい職場になりましょうぞ」
「でも俺、おもちゃの知識とか――もっと言うと生産業について技術ゼロなんだけど」
 加賀美インダストリアルはホビー事業を主だっている会社だ。昔は産業ロボット、マテリアル、重機等に職種が伸びていたそうなのだが、今はそちらに力を入れている様子はないようだ。
 しかしハヤトは「大丈夫ですよ」と優しく窘めてから、
「わが社はホビー事業以外の事業拡大も行っておりまして、多種多様な部署が存在するんですよ」
「というと?」
 促されるまま入ったオフィスには、机などはなく、だだっ広いフロアに手品道具が山積みなっている不思議な場所だった。そこでは数十人ほどが手品の練習をしていて、一際目立っていた少女がこちらへ手を振っていた。
「シャチョー! どうしたんですかこんなところに、暇なんですか?」
「いえ、社さんに会社案内していまして。それで寄ったんです」
「あー、これはこれは」
 深々とお辞儀をしてくれた少女は、夜見れな。社と同じにじさんじに所属している、アイドルマジシャンを目指している女の子だ。
「ここは?」
「手品道具の開発・生産、ついでに手品師とアイドルを育成してる部署です」
「それ絶対両立できなくね?」
「しゃっちょ、いいところに来てくれましたよ! 新作の人体切断マジック用の道具ができたので試していってください!」
「インターンシップとして経験も必要です。社さん、ファイト」
「正気か!?」
「だいじょうーぶですって! 模型で試した結果。成功率がなななんと8割!!!」
「すごい! 大進歩ですよ夜見さん!」
「2割で死ぬ! おい2割で死ぬんだが!?」

 結局実験体にされた社は見事8割の運命を手繰り寄せ生還した。また面倒ごとに巻き込まれぬよう退散してから、
「もしかして、あぁ言う役回りしかこの会社には残っていない感じ……?」
 と、やんわりと社長に訊くと、
「まだありますよ。製薬課では葉加瀬さんが作った怪しげな薬の試薬係、ゲーム開発課では鈴原るるさんと耐久ゲーム係、あとは錬金術師課のアンジュさんのところでは――」
「わかったよ社長。もう、わかった」
 社長の返答を途中で打ち止め、社はゆっくり首を横に振ってから、
「やっぱり、自分の会社が一番だったよ……!」
 そう言って、脱兎のごとく駆け出した。

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