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甘い熱にうかされて

「本当に、これで治るんだよな・・・?」

訝しげに眉をひそめながら、燐は目の前で楽しそうにあれこれと用意しているメフィストを見つめる。
メフィストはにっこりと、それはもう胡散臭いくらいに綺麗な笑みを浮かべて返事をする。

「ええ勿論。すっかり良くなりますよ☆」

「なあ、痛くないって言っての、嘘じゃないよな。」

メフィストのあまりに楽しそうな様子から不安と怯え滲ませた燐がこの部屋に来るまで散々はなされた内容について思い出しながら問いかける。

「そうですねえ、厳密には多少の痛みは伴うと思います。ですが、私は上手いですよ。だから安心なさい。それとも、今になって怖くなったんですか?」

燐の隣に腰を下ろして、メフィストが燐の間近で相変わらず楽しげに微笑んでいる。怯えたような燐の様子がとても気に入ったらしく、獲物を観察する猛禽類を思わせる雰囲気で、燐を見つめる。そして、挑発するように口元を釣り上げて問いかける。

「そ、そんなんじゃねえよ!ただちょっと、痛いのかなあ、って思って・・・それで・・。」

瞬間的にカッと牙を剥いて普段のような勢いで噛み付きそうな具合で言い返す。だが勢いは尻すぼみになり、ごにょごにょ声が小さくなり、次第に表情すらも落ち込んでしゅんとしながらうつむいてしまった。

そんな燐の様子にメフィストはますます気分が高揚していく。燐はソファーに腰掛けたままで顔を上げずに口ごもっている。よく見れば、頬はほんのりと赤く染まって、尻尾も力なくだれている。

「では、覚悟は決まっているということで☆」

そう宣言すると同時に、メフィストは燐をソファーの上へ押し倒す。驚いた燐が目を見開くが、反応が遅い。そんな様子も可愛く見えて、メフィストはそっと伸ばした指先で燐の頬を下から上へ撫でる。

「メフィ・・・、ちょ、待って!」

「待ちません。ほら、口を開けなさい。でないと、私の方法で無理やり開けさせますよ?」

私は無理やりの方が楽しくて好みなんですよね、と怪しげに笑みを歪ませたメフィストが付け足すように言う。燐はぎょっとして拒否するように首を横に振って言い返す。その隙に、メフィストは空いている手で燐の制服のネクタイを片手で器用解いて、シャツのボタンをこれも片手で一つ一つ、外していく。燐の肌がだんだんと晒されていく。

「分かった、って!おい!なんで口ん中治すのに服脱がしてんだよ?!」

「必要な要素だからですよ。胸がたかなりますよね、ソファーに押し倒されて衣服を乱されるなんて!」

「全然ッ意味が分からねえよ!ああもう、頭痛いし喉痛いし口ん中も痛い。・・もう、なんでもいいから早く、治してくれよ・・・。」

メフィストが思う以上に燐の体調は悪いらしい。熱でぼうっとした目は涙がじんわり滲んで、手が触れる素肌から伝わる体温も高い。懇願する燐に、メフィストは満足げに目を細めた。

治療と称した悪戯は、まだまだこれからだ。

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