ジャンル:練習 お題:哀れな闇 制限時間:15分 読者:421 人 文字数:817字 お気に入り:0人
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闇から光へ

昏い。

闇には慣れている。別に、ここが現実じゃないことも知っているから、平気だ。
平気。

闇の中に一人でも、どうってことはない。
いつだって一人だったし、これからだって一人なのだ。
それでいいじゃないか。
何も望まないし、代わりに何一つ、望まれたくもない。
放っておいてもらえれば、それが一番いいのに。

近づいて、僕をかき乱す。
やめて欲しい。一番鬱陶しい。
鬱陶しい。厄介だ。不要だ。

でも無視できない。

判らなくなる。
闇は深くなる。

違う。

闇だとも感じてなかった虚無が、顕になってしまう。

だから見えてくる。
闇の色。
深い怖れ。

どうして僕は。
何を悩む?
クリアだと思っていたものすべてが混沌に染まってる。

判らない。
どす黒い色に侵食されていく。
嫌だ。
どうして。


「判らないのか?」


闇に反するように生まれた鋭い光が僕に問う。


「――愚かだね」


尖すぎて、直視するのが痛い。


放っておいてくれ。そう言いながら、僕はあればかりを気にしている。



「判らないの? そんなに望んでるのに」


ああ、判らない。知らないよ。笑えばいい。放っておいてくれ。
何も考えずにこのままいたほうがどれだけ。
どれだけ。


でももう気づいてしまった。

「――だろう?」

ああ。

「戻れないよ。ずっと、無視してきた罰だね」

罰なのかこれは。

「きっとね。でも、悪くもないよ。僕が本当に望んだものだからこれは」

望んだ?

「そうでしょ。じゃなきゃこんなに眩しく感じない」


ああ、眩しいね。直視できないくらい。焼きつくされるくらい。世界が変わってしまうくらい。


「そうさ。世界は変わる。僕は変化できる」



だからその、哀れな闇から抜け出ておいで。
自分のほんとうの望みを、口にしてご覧よ。




「僕は――」



僕は。






――光が射した。




fin

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