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水増しする時間すらねえ!!!!!


末原恭子は凡人だった。
姫松高校には当然のように一般入試で入学し、選抜の部内対抗戦でも平均やや上くらい。
オカルティックなまでの強運ツモも持っていなければ、何か特殊な打ち回しを持っているわけではない。

末原恭子は凡人だ。
だがそれでも、努力によって、非凡な力を手に入れた。
超人にはなれない。人は空など飛べない。
それでも少しでも長く空にいられるよう、跳躍力をただひたすらに鍛え続けた。
翼はなくとも、人は空を飛べるのだと証明した。

「末原先輩……」

恭子を心配する声を漏らす少女の名は愛宕絹恵。
彼女もまた、凡人だった。

確かに彼女には類まれな才能がある。
女子サッカー選手としてはなかなかに非凡なキック力を持っているし、胸から下げた二つの脂肪の塊は、姉と比べると才能の塊とも呼べる程の大きさを誇っていた。

「ほんまに、やるんですか……?」

しかしそんな絹恵も、麻雀というステージにおいては、間違いなく凡人だ。
類まれな才能はないし、当然一般入試組。
サッカー部に入ることを期待する周囲の反対を押し切って、姉を追うように麻雀部に入部した。
ゴールデンルーキーになれるわけもなく、高い壁を痛感し、それでも姉の背に追い付きたい一心だけで、ただひたすらに己を鍛え上げてきた。

そうしてようやく、勝負の土俵まで上り詰めた。
同じ土俵に立つ天才と比べると、まだまだ凡人かもしれない。
それでも絹恵は凡人のまま、姉と同じ天才たちと同じ舞台に立てたのだ。

「私は……反対なのよー」

一風変わった頭髪の少女――真瀬由子もまた、凡人だった。
名門姫松高校でレギュラーの座を掴んだのは、3年生になってから。
評価されたのも『丁寧なうち回し』や『対戦相手の研究結果を参考に、きちんと対処する能力』という、天賦の才能とは違う、ある種努力の部分だ。

「恭子ちゃんは、そんなことしなくても、十二分に強いのよー」

恭子も絹恵も、由子から見れば自分より遥かに才能に恵まれた憧れの人である。
二人共、自分なんかとは違い、3年生になる前から実力でレギュラーの座を掴み取った。
そんな二人を心の底から尊敬しているし、真っ向から努力と研究で一流たちに立ち向かっている姿は、自分達凡人の希望であるとすら思っている。

「……いや、もう、決めたんや」

しかし――現実は、厳しかった。
由子も絹恵も、何とか2回戦をプラス収支で終えた。
しかし二人にとって憧れの存在である恭子だけは、満足することはとても出来ないほどの振込を行い、姫松を危険に立たせてしまったのだ。

自分が強ければ。
自分がもっとしっかりしていたら、危なげなく通過することができたのに。

「指に磁石を埋め込んで、自動卓で天鳳を出せるようになれば、あの天才共にも対抗することができる……」

詰め込みしてるんじゃねえのお前ら、というレベルの化け物達。
そこと張り合うのならば、自分も同じ化け物詰め込みをしなくてはいけない――
「あの娘より強くなりたい?」と聞いてきた赤坂郁乃監督代行が、恭子へと囁いた。
そしてこの、自動卓天鳳を伝授したのだ。

「やってくれ……」

手術は、表の医者ではやってくれない。
とはいえ闇医者につてなど無い。
結局、医学部の講義に忍び込んで最低限の知識を得ていた郁乃を主治医に、絹恵や由子を看護師にして、この場で素人手術をするより他ない。

「っぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」

麻酔なしの指の切断は痛かった。メチャクチャに痛かった。
しかし麻酔は手に入らなかったのだからしょうがない。

「があああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッ!!!!!!!!!!!!!!!!1」

恭子が叫ぶ。
この痛みの先に、強さがあることを信じて、グッと歯を食いしばった。

――もう、引き返すことは出来ない。

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