ジャンル: お題:東京別居 必須要素:コショウ 制限時間:15分 読者:495 人 文字数:1027字 お気に入り:0人

無垢だった頃の二人

「お姉ちゃん起きて」
「うう……ん……」
「起きてよー。もうこうなったら」

 未だ目覚めぬ姉・宮永照に向け、宮永咲はポケットから取り出した小瓶を振りかざす。
 バサバサバッサバサバッサバサバッサバッサ。

「……うげっ! うーえっ! おーえっ! うっげ! うっえ!」

 宮永照が飛び起きる。
 さながら、低周波マッサージ器をつけられたふかわりょうのような動きである。
 照の意識が覚醒したときにはすでに咲は部屋におらず、ただコショウまみれの枕と布団だけが残っていた。

「……えっ? ……えっ?」


 ◇ ◇ ◇


「お姉ちゃん、おやつだよー」
「待っててー」
「えーだってもう三時になっちゃったよー」
「じゃあ仕方ない。先に食べてていいよ、私はあとから食べるから」
「わかった!」

 テレビの前から離れぬ照を置いて、咲は卓上のケーキを食べ始める。
 最後に残しておいた大きな苺を食べ終えて、満を持して小瓶を取り出すと、残っている一つに振りかける。
 バッサバッサバッサバサバサドババババババババ。

「咲はもう遊びに行っちゃったのかな。まあいいや、今日のはなんだか珍しいケーキだなー」

 一切疑わず口に運び、照はのた打ち回った。
 さながら、鼻をザリガニに挟まれた出川哲郎のごとくのた打ち回った。

「……えっ? ……えっ?」


 ◇ ◇ ◇


「お姉ちゃんお風呂だよー」
「先に入ってて」
「もーこんな時間までテレビ見てたら、目悪くなっちゃうよー」
「咲も夜まで本読んでるクセに」
「それはお姉ちゃんでしょ、もー」

 軽口を叩きながら、咲は風呂に入る。
 半時間ほどかけて風呂から上がり、洗面所に置いておいた小瓶を持って浴室に戻る。
 ドッバドバドバッババババッババッバッサバサバッサ。

「はー今週もおもしろかったなー」

 なにも知らずに湯船に入り、照は湯船で暴れ回った。
 さながら、熱湯風呂に追い込まれた上島竜平のごとく暴れ回った。

「……えっ? ……えっ?」


 ◇ ◇ ◇


「お姉ちゃん」
「…………咲か」
「私、ずっと覚えてたよ。お姉ちゃんと打った麻雀、お姉ちゃんと遊んだこと、お姉ちゃんと読んだ本」
「……そう、か」
「あと、お姉ちゃんがコショウが大好きだから、私が気を利かせたらなにか怒ってたこと。ふふっ、お姉ちゃんもあのときは小さかったから」
「私に妹はいない。誰だお前は。なんのつもりだ。早く出て行け」

同じジャンルの似た条件の即興二次小説


ユーザーアイコン
作者:倫敦の若大将カイキャク ジャンル: お題:東京別居 必須要素:コショウ 制限時間:15分 読者:684 人 文字数:968字 お気に入り:1人
東京は崩壊した。ある日突然に外界から封鎖された日本の首都。そんな場所に偶然、観光にやってきていた竹井久と福路美穂子は不運にも離れ離れになってしまった。福路美穂子 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:すかい「文章」ギオン ジャンル: お題:ドイツ式の階段 必須要素:コーヒー牛乳 制限時間:15分 読者:448 人 文字数:1082字 お気に入り:0人
「せりゃあーーーーーっ!」正義超人ブロッケンJrが、四角い宇宙リング『西』に駆けこむようにリングインする。ここに至るまで、成長の一端は見せるも、ブロッケンJrは 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:すかい「文章」ギオン ジャンル: お題:絶望的なユートピア 必須要素:頭痛 制限時間:15分 読者:699 人 文字数:1352字 お気に入り:1人
「た、大変だーーー! 新入部員のドッスンちゃんが揺杏の頭をかち割ったーーーーー!!」有珠山高校麻雀部。部員不足の彼女たちは、誰でもいいから部員が欲しかった。誰で 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:雨七 ジャンル: お題:絶望的なユートピア 必須要素:頭痛 制限時間:15分 読者:488 人 文字数:897字 お気に入り:0人
ちり。頭を締め付けるような痛みに、思わず顔をしかめてしまう。「大丈夫? 淡」 心配そうに、そう訊くのは私の先輩。大好きな先輩、テルー。…もとい、宮永照。彼女を 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:雨七 ジャンル: お題:燃える祖母 必須要素:ラジオ 制限時間:15分 読者:771 人 文字数:939字 お気に入り:0人
燃える。燃える。ぱちぱちと音を立てて燃える。家が燃える。真っ黒な空まで燃やし尽くそうと炎が高く上がる。(やめて……やめてよ…! 大切な家なのに……!) 救急隊 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:Iku3 ジャンル: お題:未熟な笑い声 必須要素:400字以内 制限時間:15分 読者:748 人 文字数:393字 お気に入り:0人
「カ~ッカッカッカッカ!!」「グォッ~フォッフォッフォッ!」「ニヒヒ!」悪魔魔超人軍入りしたエイスリンが驚愕した。慈悲深いババアよりも悪魔将軍様に着いていくこと 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:倫敦の若大将カイキャク ジャンル: お題:未熟な笑い声 必須要素:400字以内 制限時間:15分 読者:779 人 文字数:398字 お気に入り:0人
「ぎゃぁーーーーはっはっは!」完璧超人始祖、8thリンは、幼いころは可憐なるいじめられっ子だった。外見は艶があり、つるりとした光沢が太陽の光をよく反射する美しさ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:3g ジャンル: お題:犯人はババァ 必須要素:ギャング 制限時間:15分 読者:756 人 文字数:36字 お気に入り:0人
咲ギャング(ギャグ)ペン咲(ペン先)に血が付いている(犯人はババァ) 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:3g ジャンル: お題:謎の娘 必須要素:ギャグ 制限時間:15分 読者:753 人 文字数:26字 お気に入り:0人
ケン咲ーフライドチキン(ケンタッキーフライドチキン) 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:倫敦の若大将カイキャク ジャンル: お題:わたしの好きな粉雪 必須要素: 制限時間:15分 読者:703 人 文字数:1135字 お気に入り:0人
最強とは最も強きもの、ならば、運命や因果をねじ曲げても極めて自然のことである。その徳川光圀の発想は的を射ており、目覚ましい成果をあげていた。今から語られる一幕も 〈続きを読む〉

康一君の即興 二次小説


ユーザーアイコン
作者:康一君 ジャンル: お題:愛すべき処刑人 必須要素:オリーブオイル 制限時間:15分 読者:170 人 文字数:1132字 お気に入り:0人
『ゲェーーーーッ! ジ・オメガマンだーーーーっ!!』 インターハイ団体戦決勝、大将戦。 最初の半荘が始まろうという、そのときである。 卓に集まったのは四人ではな 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:康一君 ジャンル: お題:肌寒い狂気 必須要素:宗教 制限時間:30分 読者:291 人 文字数:1461字 お気に入り:0人
宮永咲は道に迷う。 道に迷いたくて迷うのではない。 ある目的地を目指していながら、その目的地とはまったく異なる場所に到着してしまうのである。 そして、今回も『 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:康一君 ジャンル: お題:燃える祖母 必須要素:ラジオ 制限時間:15分 読者:798 人 文字数:1498字 お気に入り:0人
今宵もまたあの夜会が開かれる…… ――いちご佐々野の考慮しとらん話――「はい、というワケで始まりました『いちご佐々野の考慮しとらん話』! FMくたばれ天鳳放送 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:康一君 ジャンル: お題:春の裏切り 必須要素:トランプを武器にして戦いそうな男 制限時間:15分 読者:834 人 文字数:978字 お気に入り:0人
春の裏切りだった。 春なのに、放課後を迎えたいま現在、気温が三十七度。 これはもう春の裏切りだった。 春だと思ったら夏だったなんてー、なんてー、なんてーーー。 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:康一君 ジャンル: お題:部屋とYシャツと川 必須要素:豚骨ラーメン 制限時間:15分 読者:763 人 文字数:1343字 お気に入り:0人
寝る前にセットしておいた目覚まし時計が鳴るよりも早く、染谷まこは河のせせらぎで目を覚ました。 別に避暑やキャンプで河の近くを訪れていたワケでもなんでもなく、た 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:康一君 ジャンル: お題:地獄ドア 必須要素:周囲とのレベルの違いを見せつけるような巧みな描写 制限時間:15分 読者:665 人 文字数:1203字 お気に入り:1人
地獄ドアとは、すなわち超人墓場と現世を結ぶ扉のことである。 本来たとえ超人であろうと一度死んだものは蘇ることができないが、超人墓場に住む鬼から与えられる生命の 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:康一君 ジャンル: お題:せつない模倣犯 必須要素:大学受験 制限時間:15分 読者:651 人 文字数:1116字 お気に入り:0人
「げえーっ、人殺し」「違います、マホは模倣犯なんです」「なんだそうか」 宮永照はなるほどと頷く。 人殺しだと思ったが、模倣犯であるとは。 模倣犯であるのならば、 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:康一君 ジャンル: お題:少女の同情 必須要素:2000字以上3000字以内 制限時間:15分 読者:658 人 文字数:2244字 お気に入り:0人
「同情するよ、お前たちに」 宮永照は卓に腰掛けるや否や、そう言い放った。 怪訝な顔をする他家をよそに、さらに続ける。「いや、本気でな。本気で同情する。 もう…… 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:康一君 ジャンル: お題:過去のモグラ 必須要素:ガム 制限時間:15分 読者:635 人 文字数:1232字 お気に入り:0人
「いま決めた。俺はこれから摩季に会いに行く。たったいま決めた。俺がそう決めた。そうしなきゃいけないような気がした。俺はこれから摩季に会う」「そうですか。お気をつ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:康一君 ジャンル: お題:彼が愛した電撃 必須要素:TOEFL 制限時間:15分 読者:672 人 文字数:1045字 お気に入り:0人
「『レッド・ホット・チリ・ペッパー』だァァーーーーーーーーッ!!」 喉を削るような声で叫んだのは高鴨穏乃だ。 今日はTOEFLの受験日であるのだがそれをすっぽか 〈続きを読む〉